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エクセルでドロップダウンリストを追加・削除する方法|役立つ入力規則機能を解説

エクセルには、入力が便利になる「ドロップダウンリスト」というものがあります。選択肢の中から回答を選ぶ形式のため、テストやアンケートなど、さまざまな用途に使える機能です。下三角形マークのボタンを押すと、選択肢が表示されます。

この記事では、ドロップダウンリストを作成・削除する方法を解説します。記事の後半では、エクセルで使える便利な入力規則についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

エクセルのドロップダウンリストとは

エクセルのドロップダウンリストとは、ボタン1つで選択肢を表示できる機能です。前もって選択肢を設定できるので、予想外の値が入力されることを防げます。

エクセルはひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、記号といったあらゆる文字列に対応しており、表示形式で日付や時刻にもできるなど、表現の方法が無数にあります。

シートの作成者が想定していない回答が入力されることが多々見受けられ、特に会社で使う書類であれば、フォーマットを統一しないと視認性が落ち、集計も大変になってしまいますよね。そのような時にドロップダウンリストが活躍します。

ドロップダウンリストを作成(追加)する方法

例えば上の画像のように、商品のカテゴリーを入力したい時にドロップダウンリストは便利です。作成方法を解説します。

まずはカテゴリーのセルを範囲選択します。ここではC3セルからC8セルです。

次に、データタブへ移動し、「データの入力規則」を選択します。

すると、「設定」の「入力値の種類」から任意の入力値を選べるので、「リスト」を選択しましょう。するとリストの項目にあたる範囲を選択することになります。

肉、魚、乳製品が入っているF3セルからF5セルを選択します。

OKをクリックすると、C列に下向きの三角形マークが表示されました。

ドロップダウンリストのボタンをクリックすると3通りの選択肢が表示されます。

全てのカテゴリーを埋めた表がこちらです。ちなみに、F列のセルを参考にしているため、セルの中身を変更すれば、次から変更した通りの内容が表示されます。

試しにF3セルを「肉」から「肉類」に変えたところ、選択肢が「肉類」に変わりました。もとから記入してあったセルは、特に変わりありません。

ドロップダウンリストを設定しても、セルをダブルクリックすれば入力はできます。ただし、上の画像のように、ポップアップが表示され、入力内容の修正を求められるので注意しましょう。

カテゴリー用の別枠を用意せずとも、既存の入力内容をリストの項目に設定することも可能です。

例えば、上の画像のように半分しか埋まっていない表があるとします。

C3セルからC8セルまでを範囲選択して、データタブから「データの入力規則」をクリックしましょう。

上記のように空白のセルがあると「選択範囲には、データの入力規則が設定されていないセルが含まれています。データの入力規則をそれらのセルに適用しますか?」というポップアップが出ます。ここは「はい」をクリックして構いません。

先ほど同様、入力値の種類は「リスト」を選び、今度は「元の値」という項目に肉,魚,乳製品という風にカンマ区切りでリストに表示する内容を記入しましょう。

OKをクリックすると、C列のセルに肉、魚、乳製品という選択肢が表示されるようになりました。もともとカテゴリーが記入されていたC3セルからC5セルまでは、入力規則に指定した項目とまったく同じ文字列なので、特にエラーは発生しません。

ドロップダウンリストを削除する方法

ドロップダウンリストを削除したい場合は、まずリストを含むセルを選択します。複数のセルにまたがっている場合は、マウスでドラッグするか、Ctrlキーを押して複数選択しましょう。

データタブの「データの入力規則」をクリックするとデータの入力規則のポップアップが出てくるので、設定タブの「すべてクリア(C)」をクリック、OKを押したら入力規則が削除できます。

ドロップダウンリストを消したら中身のデータも消えてしまうのではないかと思うかも知れませんが、心配はいりません。入力規則だけを削除できます。

ドロップダウンリスト以外の入力規則も削除する方法

上記の入力規則をクリアする方法は、ドロップダウンリスト以外も削除できます。後ほど解説しますが、ドロップダウンリスト以外にも整数や日付、時刻といった入力規則があり、それらをまとめて削除可能です。入力規則を消すだけで、中身のデータは消えません。

エクセルの入力規則機能はどのようなものがある?

エクセルの入力規則機能とは、ドロップダウンリストをはじめとした、入力内容を制限する機能です。ドロップダウンリストは選択肢から入力する内容を選ぶ形式だったので、入力の「規則」を強く感じることは無かったかもしれません。

しかし、整数や小数点数という入力規則を選ぶと、入力規則を付けたセルに指定した数値以外を入力すると、エラーメッセージを表示して、入力内容を制作者側の意図した範囲に制限できます。

いたずらな入力や誤入力をある程度防げるため、実用性の高い機能です。

入力規則を使うメリット

エクセルの入力規則機能を使う最大のメリットは、人為的なミスを減らせることです。人間誰しもミスをするもので、会社という緊張感のある場所でも、ふとした瞬間にミスをします。社員全員が提出しなければならないメンテナンスシートや面談シート、勤務時間管理シートなど、複雑な書類ほど、制作者の意図が伝わらず、ヒューマンエラーが起こりがちです。

他にも、生年月日や入社年度などを管理するシートで、日付に小数点が付くことはまずありえません。たった1カ所の誤入力で関数にエラーが発生してしまう可能性があるため、人為的なミスを減らせるのは大変有用な機能なのです。

また、入力規則を使うことで集計が楽になることが挙げられます。金額の表し方1つとっても、ひとそれぞれで違います。「6000円」を表現するには、下記のようなバリエーションがあるのです。

・「6,000円」

・「6,000円」

・「6000円」

・「6千円」

・「6千円」

・「¥6000」

・「¥6,000」

・「¥6000」

・「¥6,000」

各店舗の売上をまとめる際に、上記のような表し方にバラつきがあると、集計が大変です。特に漢数字と算用数字は計算ができず、算用数字(アラビア数字)に統一しなければなりません。そういった場合に、「6,000」という表し方しか入れられないようにしたら、集計作業が非常に楽になります。

また、入力規則にはエラーメッセージを表示できるので、何がいけないのか、どのように訂正すれば良いのかコントロールできます。新入社員や中途社員がはじめて記入するシートでも、適切な回答方法がわかれば受けるストレスが減るでしょう。

教える先輩社員がいなくても解決策を見つけられるので、リモートワークの増えた現代にマッチした機能です。また、複数人で管理するシートでも意思疎通ができる点もメリットです。

入力規則の種類

入力規則には下記の8種類があり、それぞれ特徴が異なっているので、順に見ていきましょう。

入力値の種類入力規則の特徴
すべての値入力制限をしないどのような値を入れても許可する
整数整数のみ入力を許可最小値と最大値を指定可能
小数点数整数と小数の入力を許可最小値と最大値を指定可能
リスト入力内容をリストで選択させる内容は既に記入されたセルを範囲選択するか、手作業で記入
日付日付のみ入力を許可開始日と終了日を指定可能
時刻時刻のみ入力を許可開始日と終了日を指定可能
文字列(長さ指定)入力できる文字数を制限最小値と最大値を指定可能
ユーザー設定ユーザーが自由に規則を設定する複数条件を指定する際に便利

すべての値

データの入力制限を設けない場合は「すべての値」を選ぶことになります。デフォルトで選択されているので、意識的に使うことはありません。主な使い方としては、入力規則の設定を間違えて混乱した際に、入力値の種類を「すべての値」にしてリセットするといったものがあります。

整数

整数以外を入力させない入力規則です。整数は小数がない数を指すため、プラスもマイナスも入力できてしまいますが、最小値と最大値を選択できるので、あらゆる用途に対応できます。例えば入社年度や満年齢、通勤時間(分)といった、整数だけを入力させたい場合に有効な規則です。

小数点数

少数ではなく小数点数と聞くと何を指しているのだろうと思うかもしれませんが、整数と小数を表示させたい場合に使う入力規則です。整数以外の回答も考えられるのであれば、基本的にこちらを使います。小数点数も整数と同様に、最小値・最大値を指定できます。

リスト

先ほど解説したように、リストは決まった選択肢をあらかじめ入力してリスト化し、シートの記入者には、リストの中から入力内容を選択してもらう規則です。「元の値」にカンマ区切りで文字を入力することで、何でも選択肢にできます。「はい,いいえ」「〇,×」「1,2,3」といった、リストにありがちな項目を作成できます。

日付

シートの作成日や、最終更新日、出勤日、有給取得日といった、日付だけをセルに入力したい場合は、「日付」という入力規則を選ぶのがおすすめです。開始日と終了日を指定できるため、2021年度版、2022年度版といった書類に、適切な日付を入力できます。

時刻

出勤時間や退勤時間、休憩時間、残業した時間などをエクセルシートで管理する場合は、「時刻」がおすすめです。開始時刻と終了時刻を指定できるため、現実的な範囲で記入しないとエラーが発生する仕組みになっています。

特に勤務時間を集計して給与計算をする事務・総務社員からすれば、これらの項目の書式が統一されていると、作業が大幅に効率化されます。

文字列(長さ指定)

こちらは、セルに入力する内容の文字数を制限できる規則です。「〇文字以上、〇文字以下で記述」といった項目に対応できる規則で、アンケートや住所欄などに使われます。

ユーザー設定

ユーザー設定では、自由に入力規則を設定できます。これまで解説してきた入力規則は、最小値と最大値をのぞいて複数の条件に対応していません。ユーザー設定で、専用の関数を使うことで、入力規則に複数の条件を付与できます。

メッセージの出し方

各入力規則共通で、メッセージを表示できます。表示できるメッセージは、カーソルをセルに合わせた時に出力される「入力時メッセージ」と、「エラーメッセージ」の2種類です。

例えば、2000年設立の会社で、入社年度をまとめる場合は、上記のような入力規則を作ってみましょう。

入力時メッセージはセルにカーソルが合うと表示されるため、文量は少なめがおすすめです。ここでは「2000~2022」とします。

次にエラーメッセージの設定です。スタイルは停止、注意、情報があり、下記のような違いがあります。

▼停止

▼注意

▼情報

どの表示でも、入力内容にエラーがあることは伝わるので、好きなものを選びましょう。

まとめ

エクセルでドロップダウンリストを作成するには、データタブの「データの入力規制」から「リスト」を選びましょう。削除したい場合は、もう一度、データタブの「データの入力規制」をクリックし、「すべてクリア」を押すと、入力規則が削除されます。入力規則が消えても、もともとセルに入っていた内容は削除されないので、安心してください。

リスト以外にも、さまざまな入力規則があるので、ぜひ使ってみてください。