エクセルの改ページ機能をご存じでしょうか?任意のサイズでページを切り替えることで、視認性の良い表を作成できるようになります。この記事では、エクセルの改ページを挿入する方法、解除する方法を解説します。
記事の後半では、改ページが上手くいかない時の対処法も解説しているので、エクセルで改ページを行う際は、ぜひ参考にしてください。
目次
エクセルで改ページを行う方法
エクセルの改ページとは、ワークシートを別々のページに分割する機能です。ページを分割することで、エクセルを印刷する際に、区切りの良いところでレイアウトを分けられます。
大きすぎる表は、印刷の際に途中で途切れてしまうことがあるため、改ページで任意の位置でページを区切れるのは大きなメリットです。ここでは、エクセルの改ページを設定する方法を解説します。
改ページの挿入
まずは印刷したいワークシートを選択して、「表示」タブを選択します。ブックの表示にある「改ページプレビュー」をクリックしてみましょう。すると、画面の雰囲気が少し変わり、余白部分がグレーで、データの入ったセルを囲うように青い線が表示されます。
次に「ページレイアウトタブ」に移動すると、「改ページ」という項目があるので、そちらをクリックすると、改ページが挿入できます。次の見出しで解説しますが、改ページボタンをクリックする直前に選択していたセルの位置に基づいて区切り線が挿入されるので、操作には多少の慣れと知識が必要です。
行で区切る場合
上記の画像のように、行(上下方向に)で改ページの区切り線を挿入するには、区切りたい行の1つ下の行を選択します。例えば7行目と8行目の間に改ページの区切り線を挿入する場合、8行目を選択した状態で、「改ページ」ボタンをクリックするのです。すると8行目の上に区切り線が挿入され、7行目までが1ページ目、8行目からは2ページ目になりました。
列で区切る場合
上記の画像のように、列(左右方向に)で改ページの区切り線を挿入するには、区切りたい列の1つ右の列を選択します。例えばB列目とC列目の間に改ページの区切り線を挿入する場合、C列目を選択した状態で、「改ページ」ボタンをクリックするのです。するとC列目の左側に区切り線が挿入され、B列目までが1ページ目、C列目からは2ページ目になります。
セルで区切る場合
任意のセルを選択した状態で改ページを挿入すると、セルの上部、左側に区切り線を挿入できます。セルで区切ると、上下左右で4ページに分割可能です。
改ページを移動する
改ページの区切り線を移動するには、前もってセルのドラッグアンドドロップ機能を有効にしなければなりません。ドラッグアンドドロップ機能を有効化、または確認するためには、下記の操作を行います。
まずは「ファイル」タブのオプションを選択して、 「詳細設定」をクリックしましょう。「編集オプション」という項目から「フィルハンドルおよびセルのドラッグアンドドロップを使用する」を探して、チェックボックスにチェックを入れておきましょう。
上記の章で解説した通りに、まずは、改ページの区切り線を挿入します。改ページプレビューモードになったら、青い枠線をドラッグして、区切り線の位置を変更できます。
改ページの解除
解除の手段は、改ページの挿入までの手順とほとんど同じです。まずは「表示」タブを選択して、ブックの表示にある「改ページプレビュー」をクリックします。プレビューモードになったら「ページレイアウト」というタブに移動して、「改ページ解除」という項目をクリックしましょう。
この時、前もって改ページを設定した行や列、セルにカーソルを合わせる必要があります。
改ページの点線の表示・非表示を切り替える
改ページを設定すると、区切り線が点線として表示されます。人によっては違和感を覚えるかもしれません。エクセルのオプションから点線の表示・非表示を切り替えられます。ファイルタブから「オプション」を選択しましょう。次に「詳細選択」をクリックして、項目「次のシートで作業するときの表示設定」を見ると、「改ページを表示する」というチェックボックスがあるので、そちらで表示・非表示を選択できます。
エクセルで改ページプレビューを行うメリット
エクセルで改ページプレビューを行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、改ページプレビューを行なった方が良い理由と、行わなかった時に発生するリスクを解説します。
レイアウト崩れを防げる
1つ目のメリットは、レイアウトの崩れを防げることです。エクセルで大量のデータが入力されたシートを印刷したことがある方は経験があるかもしれませんが、シートを印刷する際に、あまりにも印刷範囲が広いと、表やグラフの途中でページが切れてしまい、せっかく作った制作物のレイアウトが崩れてしまいます。改ページプレビュー画面にて、任意の位置で区切る箇所を決められます。
視認性を高められる
ビジネスで使うような資料は、視認性の良さが求められるものです。改ページプレビューで、余白や表の切れ目など、視認性が良くなるように微調整ができます。
エクセルで改ページできない時の対処法
エクセルで改ページ設定をしたいのに、なかなか上手くいかない。そのような場合は何かしらの対処法があるものです。ここでは、改ページを挿入できない時の対処法、印刷範囲を設定できない時の対処法、改ページプレビューが上手くいかない時の対処法を解説します。
改ページを挿入できない
改ページを挿入できないときは、ページ設定を確認してみましょう。「ページ レイアウト」タブ にある「ページ設定」グループの右下に向く矢印をクリックすると、詳細な設定画面が表示されます。「ページ」タブの「拡大縮小印刷」で、「次のページ数に合わせて印刷」という項目にチェックが入っていないか確認しましょう。手動で改ページ設定が
できなくなってしまいます。また、横か縦に数字が入っている場合も改ページ設定が
できなくなるので、注意しましょう。
対処法としては、拡大縮小印刷の「次のページ数に合わせて印刷」という項目の上にある拡大/縮小を選ぶことです。また、ファイルタブから「印刷」をクリックして最下部にある「拡大縮小なし」を選択することでも、改ページ設定ができないケースに対応できます。
改ページを解除できない
改ページを解除するには、設定と同様の手順を踏むだけなので、設定方法がわかれば簡単ですが、それでも解除できないケースがあります。そのような場合は、ワークシート右下の表示切り替えに着目してみましょう。
デフォルトで設定されている標準モードになっていると、改ページを解除できません。何かのはずみで、改ページプレビュー画面から標準モードにしてしまうと、いつの間にか青線やグレーの余白が消えてしまい、改ページの解除や追加、区切り位置の変更ができなくなります。改ページプレビュー画面に遷移するためには、1番右のインジケータをクリックしましょう。
印刷範囲が設定できない
せっかく改ページの設定を行ったのに印刷する際に、範囲を変更できないというケースが多々あります。そのような場合は、印刷画面を開いて設定から「印刷範囲を無視」をクリックしましょう。これで印刷範囲が設定できない問題を解決できます。
改ページプレビューが上手くいかない
改ページプレビュー画面に遷移したのに、ページ枠を表す青い線、または点線が動かせないというケースが見受けられます。ファイルの詳細設定から行える「フィルハンドルおよびセルのドラッグアンドドロップを使用する」という項目にチェックが外れているのが要因です。
ファイルタブからオプションを開き、「詳細設定」から「フィルハンドルおよびセルのドラッグアンドドロップを使用する」という項目にチェックを入れましょう。
改ページがずれる
エクセルファイルは、1人だけで使うのではなく、複数人の間で共有されることもあります。非常に便利な機能ですが、それぞれのディスプレイ解像度によって改ページの設定が擦れてしまう可能性があるのです。ここでは、Windowsのディスプレイ解像度の変更方法を解説します。後で更新をかけるためにエクセルファイルは保存して、閉じておきましょう。
まずは歯車マークの「設定」からシステムを選びます。次に「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する」という項目で「100% 」を選択しましょう。
改ページが1行ごとに挿入される
時間をかけて改ページ設定をしたものの、突如改行が1行ごとになってしまったというケースがたびたび見受けられます。改ページ設定を全て削除してやりなおせば解決する問題ではありますが、せっかく作ったコンテンツが0から作り直しになるともったいないですよね。
そのような場合は、印刷するデバイス(プリンター)を変えてみましょう。
改ページを設定するときはヘッダーとフッターが便利
改ページをする際にネックになるのが共通の情報の掲載です。例えば作成日や作成者の氏名、所属部署、ページ番号などが挙げられます。そこで便利なのが、ヘッダーとフッターです。ここでは、ヘッダーとフッターの設定方法について解説します。
ヘッダー・フッターの挿入(追加)方法
まずは、ヘッダー・フッターを追加したいワークシートへ移動しましょう。「挿入」タブのテキストから「ヘッダー・フッター」をクリックするとオプションが開き、ページレイアウトビューでシートを表示できるようになります。
フッターとヘッダーそれぞれで、左側・中央・右側、どの位置に置くかを決めましょう。
ヘッダー・フッターの編集方法
ヘッダーを編集するには、シート の上部にある、左、中央、右のテキスト ボックスをクリックします。
一方で、フッターを編集するためには、「ヘッダーとフッター」タブを開き、「フッターに移動」を選択します。左、中央、右のテキスト ボックスをクリックするとヘッダーを編集できます。
ヘッダー・フッターを削除する方法
ヘッダー・フッターを削除する方法を見ていきましょう。
ヘッダーとフッターの全体を削除
まずは、「表示」タブの「ページレイアウト」を選んで、表示モードを変えます。
画面右下の倍率選択の横にある3つのモードの真ん中を選びましょう。
「ページレイアウト」タブ→「ページ設定右下のメニュー」→「ページ設定」→「ヘッダー/フッター」という順にクリックしましょう。
ヘッダーの下のリストから「指定しない」を選択して「OK」をクリックすると、ヘッダー全体が削除されます。フッターを削除したい場合は、フッターのリストから「指定しない」を選択しましょう。
ヘッダーとフッターの一部を削除
ヘッダー(フッター)の一部を削除したい場合は、「ヘッダーの編集(フッターの編集)」を選択します。
左側、中央部、右側の3つのボックスから、自由に内容を編集、削除できるので、ぜひ覚えてみてください。
まとめ
エクセルでは、ページの区切り位置を任意の箇所に指定して、改ページを設定できます。表やグラフのレイアウトが崩れない、視認性がよくなるというメリットがあります。特にビジネスシーンでは、改ページがよく使われます。
改ページを設定する手順は簡単ですが、区切り位置を覚えるまでは少し苦労するでしょう。7行目と8行目の間を区切りたい場合は、8行目を選択。B列とC列の間で区切りたかったらC列を選ぶといった、後ろの方を選択して区切ると、狙い通りに区切れるので、ぜひ覚えておきましょう。