検索エンジンで調べ物をしていると、WEBサイトにて青色の字で装飾された文字を見ます。この青字にはURLが埋め込まれており、他のWEBページやYoutubeの動画リンク、Twitterの投稿、アカウントへのリンクなど、インターネット上のさまざまなサービスへ遷移することが可能です。リンクを飛ばして画面を遷移させる処理は、エクセルにも備わっています。
この記事では、エクセルでハイパーリンクを設定する方法を紹介します。多種多様な活用方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
ハイパーリンクを設定する方法
ハイパーリンクを設定する方法は、同じシートに遷移するか、別のシートに遷移するか、フォルダに遷移するかなど、遷移先によって設定方法が異なります。それぞれ設定の手順を解説します。
同じシート内に遷移するリンクを設定
まずは、同じシート内にハイパーリンクを設定する方法から見ていきましょう。手順は下記の通りです。
・リンクを設置したいセルを右クリックして「リンク」を選択
・ハイパーリンクの挿入メニューが表示されるので「このドキュメント内」を選択
・セル参照を入力して「OK」を押す
ここではA1セルを選択した状態で、右クリックをして、1番下の項目「リンク」をクリックします。下記のようなハイパーリンク挿入のポップアップが表示されるので、「このドキュメント内」を選んで、セルの参照先を選択しましょう。ここではセル参照を「A9セル」にします。
OKを押すと、ハイパーリンクの設定が完了して、右クリックしたセルが青字に変化します。(1度でもリンクをクリックすると、紫色の字に変化)
試しにリンクをクリックしてみると、A9セルに遷移しました。
別のシートに遷移するリンクを設定
同じシートにハイパーリンクを挿入する手順を覚えてしまえば、簡単に「別のシートへハイパーリンクを設定する方法」も習得できてしまいます。手順は下記の通りです。
・リンクを設置したいセルを右クリックして「リンク」を選択
・ハイパーリンクの挿入メニューが表示されるので「このドキュメント内」を選択
・セル参照を入力する
・遷移先のセルがあるシートを選択して「OK」を押す
まずはC1セルを選択した状態で、右クリックをして、1番下の項目「リンク」をクリックします。ハイパーリンク挿入のポップアップが表示されるので、「このドキュメント内」を選んで、セルの参照先を選択しましょう。ここではセル参照を「A8セル」にします。ドキュメント内場所を「Sheet2」に変更してOKをクリックしてみましょう。
OKを押すと、ハイパーリンクの設定が完了して、右クリックしたセルが青字に変化します。試しにSheet1のC1セルに入力されたリンクをクリックしてみると、Sheet2のA8セルに遷移しました。
WEBページへの遷移リンクを設定
エクセルのハイパーリンク機能はシート内に限らず、WEBサイトのURLを設定して遷移リンクを作成できます。手順は下記の通りです。
・リンクを設置したいセルを右クリックして「リンク」を選択
・ハイパーリンクの挿入メニューが表示されるので「ファイル、WEBページ」を選択
・アドレス(URL)を入力して「OK」を押す
ここでは、A3セルを選択した状態で、右クリックをして、1番下の項目「リンク」をクリックします。上記のようなハイパーリンク挿入のポップアップが表示されるので、「ファイル、Webページ」を選択して、アドレスを入力しましょう。ここではMicrosoft365の公式サイトのURLを設定しました。
OKを押すと、ハイパーリンクの設定が完了して、右クリックしたセルが青字に変化します。試しにリンクをクリックしてみると、Microsoft365の公式サイトに遷移しました。
フォルダ・ファイルへの遷移リンクを設定
WEBサイトへ遷移するリンクを設定したときに、勘の良い方は気付いたかもしれませんが、任意のフォルダ・ファイルへ遷移するリンクを作成できます。Windowsならエクスプローラ―、MACならFinderから、好きなフォルダ・ファイルを選択可能です。手順は下記の通りです。
・リンクを設置したいセルを右クリックして「リンク」を選択
・ハイパーリンクの挿入メニューが表示されるので「ファイル、WEBページ」を選択
・任意のフォルダ・ファイルを選択して「OK」を押す
ここでは、A1セルを選択した状態で、右クリックをして、1番下の項目「リンク」をクリックします。上記のようなハイパーリンク挿入のポップアップが表示されるので、「ファイル、Webページ」を選択して、フォルダまたはファイル名を選択しましょう。
OKを押すと、ハイパーリンクの設定が完了して、右クリックしたセルが青字に変化します。試しにリンクをクリックしてみると、該当するフォルダ・ファイルに遷移しました。
フォルダ・ファイルを選択する際、下記のようなポップアップが表示されるかもしれません。ハイパーリンクは、個人用のPCでローカル環境の信頼できるファイルやフォルダを指定すれば問題ありませんが、会社用のパソコンや、共有PCで考えなしにリンクのクリックを実行するのは、情報漏洩やウイルス感染のリスクがあります。本当にクリックして良いリンクなのか考えましょう。
メールアドレスへのリンクを設定する
エクセルでは、PCにデフォルトで設定されたメールソフトを起動するハイパーリンクを作成できます。手順は下記の通りです。
・リンクを設置したいセルを右クリックして「リンク」を選択
・ハイパーリンクの挿入メニューが表示されるので「電子メールアドレス」を選択
・電子メールアドレスと件名を入力して「OK」を押す
メールソフトを起動するリンクを設定するだけなので、本文を自動入力するものではありません。ただ、設定したメールアドレスと件名は正しく反映されます。
ハイパーリンクを編集・解除する
設定したハイパーリンクの内容を編集したい、または削除したい場合は、下記の手順で実行できます。
・リンクを設置したいセルを右クリック
・「ハイパーリンクの編集」または「ハイパーリンクの削除」を選択
ハイパーリンクの編集を押下すると、参照セルや該当するシートなど、リンクを設定した時に表示されたポップアップが再び表示されます。
セルに入力したアドレスをハイパーリンクにする方法
セルにWEBページへの遷移リンクを設定できるエクセルでは、効率的にハイパーリンクを設定できる機能があります。クリックしたURLへ瞬時に遷移できるため、参考資料・ホームページを列挙する際におすすめです。ここでは、「ダブルクリック」「F2キー」「HYPERLINK(ハイパーリンク)関数」の3種類の方法を解説します。
ダブルクリックでハイパーリンクを設定
ページURLが入力されたセルをダブルクリックしてEnterキーを押すと、自動的にURLがハイパーリンク化されます。非常に簡単なので、URLを瞬時にリンク化したい時におすすめです。ダブルクリックするとセルの中身を編集するモードに切り替わります。余計な文字を追加してしまったり、削除してしまうと該当のWEBページに遷移しないので、あくまでEnterキーを押すだけと覚えましょう。
F2キーでハイパーリンクを設定
ダブルクリックとEnterキーを組み合わせてハイパーリンク化していくと、マウスとキーボードをせわしなく動かさなくてはいけません。あまりにも大量のURLをハイパーリンク化する際は、「マウスでダブルクリック→Enetrキー押下→次のセルへ移動→マウスでダブルクリック」という作業を繰り返すことになるため、ミスが発生しやすくなります。そこでおすすめなのが「F2キー」です。セルをダブルクリックと同じ状態にできるため、キーボード操作だけで完結します。「F2キー押下→Enetrキー押下→次のセルへ移動→F2キー押下」と、工程がやや簡略化されるため、ミスを抑えて作業時間も短縮可能です。
HYPERLINK関数を使う
エクセルに備え付けられたHYPERLINK(ハイパーリンク)関数を利用することで、ダブルクリックや、F2キーを使うよりも遥かに効率的にURLをリンク化できます。使い方はいたって簡単で、引数にセルを指定するだけです。数式は下記のようになります。
=HYPERLINK(リンク先,[別名])
別名は省略可能で、対象のセルだけを引数に指定すると、上記のように、A1セルのURLがハイパーリンクになります。ちなみに、別名とは、表示したい文字列がある時に使う引数です。B2セルでは、=HYPERLINK(A2,”A2セルをリンク化”)という数式を記入することで、A2セルのURLをハイパーリンクにしつつ「A2セルをリンク化」という別名を設定することで、表示名を変更しました。
上記の、=HYPERLINK(A2,”A2セルをリンク化”)という数式の中で、とある部分に目がとまった方は多いのではないでしょうか?別名を設定するときに注意しておきたいのが、ダブルクオーテーションマーク(””)です。エクセルでは、関数の引数に文字列を直接入力する際は、ダブルクオーテーションマークで両端を囲うというルールがあります。このルールを無視してしまうと、「#NAME?」エラーが発生するため、覚えておきましょう。
別名を設定する必要がない場合は、参照するセルだけ指定すればOKです。A1セルのリンクをクリックしないよう、余白部分をクリックしてオートフィルをかけると瞬時にハイパーリンク化が完了します。
リンクの外観を変更する
エクセルでハイパーリンクを設定すると、基本的には青色の字と下線で装飾されます。シンプルで見やすいのですが、デザインにこだわりたい方にとっては、少し物足りないかもしれません。そこで、ハイパーリンクの外観を変更してみましょう。
リンクの外観を変更する手順
まずは、外観を変更したいセルを選んで、「ホーム タブ」→「スタイル グループ」→ 「セルのスタイル」をクリックします。複数のセルの外観を一括で変更したい場合は、この時に、セルを範囲選択しておきましょう。
ポップアップメニューが表示されるので、「データとモデル」というメニューから、任意の外観をクリックしてみましょう。ここでは、上段右から2番目のデザインを選択します。すると、下記のようなデザインに変更されました。
リンク化されていないURLをリンクにすることができる
URLが記入されたセルに対して、「ホーム タブ」→「スタイル グループ」→ 「セルのスタイル」とクリックして、、「データとモデル」というメニューからハイパーリンクを選ぶと、リンク化することができます。
フォントの色や背景色も変更可能
「ホームタブ」の「フォントグループ」では、テキストの装飾に使われるフォント色・背景色(セルの塗りつぶし)を変更可能です。ハイパーリンク化されたセルのテキストも同様に、自由に色を変更できます。
まとめ
エクセルでは、同一シートまたは、別シートの任意のセルに遷移するハイパーリンクを設定できます。フォルダやファイルWEBページのURLを指定して遷移することも可能です。ただし、共有PCや会社用PCなど、情報漏洩の危険性が心配される場合は、むやみに、サイトへのURLやファイルへのパスにリンクを設定しない方が良いでしょう。
ハイパーリンクは、デフォルトでは青地の下線というシンプルなデザインになっていますが、自由に変更できます。