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ExcelのROUNDUP関数の使い方をマスターしよう!

Excelの作業中、小数点以下や1未満の端数を処理するシーンで手が止まったことはありませんか?この数値の「四捨五入」にはROUND関数を使い、同様の方法で「切り捨て」「切り上げ」も可能です。

今回は「切り上げ」の処理をするROUNDUP関数の使い方をご紹介していきます。

目次

ROUNDUP関数の使い方

ROUNDUP関数は、数値を指定された桁数に切り上げます。構文は次の通りです。

ROUNDUP(数値, 桁数)

ROUNDUP関数の構成要素には、次の引数があります。2つしかなく、いずれも必須入力項目です。

数値    

切り上げの対象となる実数値を指定します。

桁数

数値を切り上げた結果の桁数を指定します。

ROUNDUP関数はROUND関数の仲間で、常に数値が切り上げられる機能をもっています。

桁数に正の数を指定すると、数値の小数点以下について、指定した桁数の右側が切り上げられます。ですが、桁数に0を指定すると、数値は最も近い整数として切り上げられます。

また、桁数に負の数を指定すると、数値の小数点の左側 (整数部分) が切り上げられます。

出典:Microsoftサポート|ROUNDUP関数

ROUNDDOWN関数の使い方

あわせて、セル内の数値を切り下げるROUNDDOWN関数についてもご紹介します。構文は次の通りです。

ROUNDDOWN(数値, 桁数)

ROUNDDOWN関数の構成要素には、次の引数があります。こちらもROUNDUP関数同様値2つしかなく、いずれも必須入力項目です。

数値

切り捨ての対象となる実数値を指定します。

桁数

数値を切り上げた結果の桁数を指定します。

ROUNDDOWN関数の機能は、ROUND関数に似ていますが、常に数値が切り捨てられる点が異なります。

つまり、ROUNDUP関数の逆です。

桁数に正の数を指定すると、数値の小数点以下について、指定した桁数の右側が切り捨てられます。

そして、桁数に0を指定すると、数値は最も近い整数として切り捨てられます。

逆に、桁数に負の数を指定すると、数値の小数点の左側 (整数部分) が切り捨てられます。

ROUND関数の使い方

ROUNDUP関数の仲間と紹介した、ROUND関数もこれを機に覚えておくとよいでしょう。

ROUND関数は四捨五入する関数です。

たとえば請求書の金額で端数処理をしなければならない際に、指定した桁数で端数を四捨五入すると思います。そのようなときにROUND関数は便利です。

ROUND関数の構文と引数は次の通りです。

ROUND(数値,桁数)

数値

四捨五入したい数値または、セルの位置を指定します。

桁数

四捨五入したい桁数を指定します。桁数を指定するには、整数で指定します。

1 の位を「0」とし、小数点以下第一位は「1」、小数点以下第二位は「2」というように、小数点以下の桁数が増えるごとに正数が増えます。また、十の位を指定したい場合は「-1」、百の位を指定したい場合は「-2」というように、桁が大きくなるごとに負の数が増えます。ここで注意すべきは、指定した桁数にある数値を四捨五入するのではなく、指定した桁数の 1 つ下の桁の数値を四捨五入するということです。

参考:Microsoftサポート|Excel の四捨五入はこんなに簡単! 便利な切り捨て、切り上げも解説

関数を使わずにExcelの表示形式を使う

ここまでは関数を使って端数を処理する方法を解説しました。ただ、四捨五入に関しては、関数を使わないもう1つの方法があります。

それは、セルの表示形式を使う方法です。

[ホーム]タブの[数値]グループにある[小数点以下の桁数を減らす]ボタンを使うと、小数点以下の桁数を調整し、非表示にした桁を四捨五入することが可能です。

関数を入力せずとも四捨五入できて便利ですが、この方法では見た目上の数値が変わるだけ。

実は、セルに入力されている実際の数値は変わらないので注意が必要です。

ROUNDUP関数などによる計算結果は、セルにそのまま入力されているため、見た目と実際の計算が一致します。

このように、表示形式で見た目上だけ四捨五入しているセルと、ROUNDUP関数で切り上げたり、ROUND関数で四捨五入しているセルを計算に用いると、結果が合わなくなることが起こりえます。

特に税率の計算など、端数の処理を厳密に行う必要があるときには注意してください。

ROUNDUP関数を使いこなすメリット

経理や営業事務で、請求書の消費税計算などで計算結果を切り捨てたり、四捨五入したりするなどして、きりのいい数字にしなければならないことは多いでしょう。

このような「四捨五入」や「切り捨て」「切り上げ」のような処理のことを一般的に「端数処理」というのですが、ROUNDUP関数を使いこなすことでこの処理が迅速かつ正確に行うことができます。

金額の計算などでは、計算方法によって小数点を持つ数字が出てしまうことはよくあります。

しかし、実際のお金のやりとりは1円以下の金額を支払うことはできませんよね?そのため、請求書など1円よりも小さい部分を処理する必要がでてきます。

たとえば98円のお菓子を買った際に、消費税(軽減税率)を計算すると7.84円になります。しかし、実際の買い物では、0.84円を払うことはなく、消費税7円を加えた105円を支払います。このように、消費税計算では一般的に1円未満は切り捨てます。

ほかにも、ケーブルや布など販売単位が1メートルと決まっているものは、1.5メートルが必要な場合には2メートルを購入することになります。このときに行われるのが切り上げ処理です。

参考:小数点以下の四捨五入/切り捨て/切り上げをExcelで自由自在に

ROUNDUP関数に似た関数とは?

切り上げの機能をもつROUNDUP関数や、切り下げたいときに使うROUNDDOWN関数には、似た関数がほかにもいくつかあります。

ここでは4つの関数を解説していきます。

1.CEILING関数

CEILING関数とは、基準値の倍数のうち、絶対値に換算して最も近い値に切り上げられた数値を返す関数です。 

たとえば、価格が442円の製品に価格を設定するときに1円単位の端数を出さないようにするには、数式 =CEILING(442,5) を使用して5円単位に最も近い価格に切り上げることができます。構文は次の通りです。

CEILING(数値, 基準値)

CEILING関数の構成要素には、次の引数があります。ROUNDUP関数同様に2つしかなく、いずれも必須入力項目です。

数値    

丸めの対象となる数値を必ず指定します。

基準値 

倍数の基準となる数値を必ず指定します。

引数に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返されます。

なお、数値の符号に関係なく、切り上げられた値の絶対値は、数値より大きくなります。 

指定された数値が基準値の倍数と等しい場合数値は丸められずにその値が返されます
数値と基準値がどちらも負の数である場合値は小さい方 (0 から遠い方) の数値に切り上げられます
数値が負の数で基準値が正の数である場合値は大きい方 (0 に近い方) の数値に切り上げられます

2.ODD関数

ODD関数は、数値を切り上げて、最も近い奇数にする関数です。また、元の数値の絶対値より大きい数字に切り上げます。構文は次の通りで非常にシンプルです。

ODD(数値)

ODD関数の書式には次の引数があります。

  • 数値は丸めの対象となる数値を必ず指定します。
  • 数値に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返されます。
  • 数値の符号に関係なく、切り上げられた値の絶対値は、数値より大きくなります。
  • 数値が既に奇数の値になっている場合、切り上げは行われません。

3.EVEN関数

EVEN関数とは指定した数値を、最も近い偶数に切り上げた数値を返す関数です。

この関数は、2個単位で扱われるアイテムを処理する場合に使用できます。 

たとえば、1 つまたは 2 つのアイテムを並べて入れられる梱包用の箱があるとします。 この場合、アイテム数を偶数に切り上げると、アイテム数と箱の容量が一致するときに箱はいっぱいになることがイメージできるでしょう。

EVEN関数の構文は次の通りで、非常にシンプルです。

EVEN(数値)

EVEN関数の構成要素には、次の引数があります。

  • 数値は丸めの対象となる数値を必ず指定します。
  • 数値に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返されます。
  • 数値の符号に関係なく、切り上げられた値の絶対値は、数値より大きくなります。 
  • 数値が偶数の場合、切り上げは行われません。

4.INT関数

小数点以下第n位を切り捨てたいという場合はROUNDDOWN関数を使用しますが、整数だけにしたいという場合はINT関数が便利です。

第2引数に0を指定したROUNDDOWN関数とINT関数の違いは次の通りです。

ROUNDDOWN関数 = 引数に指定された数値の小数点以下を切り捨てる

INT関数 = 引数に指定された数値を超えない最大の整数を返す

また、正の数の場合は第2引数に0を指定したROUNDDOWNとINTは同じです。

正の数値・プラスの数値を指定したときには、第2引数に0を指定したROUNDDOWN関数とINT関数に違いはありません。

たとえば、

  =ROUNDDOWN(1.5, 0)

  =INT(1.5)

いずれも「1」です。

ですが、負の数値・マイナスの数値を指定したときには、違ってきます。

  =ROUNDDOWN(-1.5, 0)

は「-1」ですが

  =INT(-1.5)

は「-2」となります。

このように、小数点以下を切り捨てるという処理が必要なときに、負の数値・マイナスの数値を扱うケースがあるのか、あるのならどう処理しなければならないのかで決まってきます。正の数値・プラスの数値しか扱わないという場合、ROUNDDOWN関数とINT関数はどう使い分けるのかですが、一般的には引数の数が少ないINT関数のほうが簡単でしょう。

特に金銭のやり取りで、マイナスのお金というのは物理的に存在しないため、INT関数が役立ちますよ。

あわせて読みたい|軽減税率の話

令和元年(2019年)10月1日(火)の消費税増税と同時に軽減税率の制度がスタートしました。

企業はこの制度によって標準税率と軽減税率の2つの税率の商品を管理する必要があるため、システム管理や経理事務といった業務への影響も大きなものになっています。

ROUNDUP関数などをExcelに組み込んで効率化をはかっている方々も、すでにいらっしゃるでしょう。

最後に軽減税率とは何なのかも解説していきます。これを機に覚えておいて損はありませんよ。

軽減税率とは、この増税にともない、一部の商品を対象として今まで通りの8%の税率とする制度を指しています。軽減税率が適用される商品は、下記のようになっているため、覚えておきましょう。ただし、国税と地方税の比率は異なりますので、帳簿付けの際には過去の8%と軽減税率の8%を区別する必要がありますのでご注意ください。

  • 酒類や外食を除く飲食料品
  • 定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞

軽減税率の実施にともない、消費税は、標準税率10%と軽減税率8%の2種類となります。事業者は、仕入れと販売の両方で税率を気にしなければいけませんので、標準税率適用の商品と軽減税率適用の商品をしっかりと把握しておく必要があります。

さらに、軽減税率制度の実施によって、事業者は軽減税率の対象になる商品と対象にならない商品の区別をしっかりと行い、正しい税率で計算する必要があります。間違った税率で会計をしてしまうと、お店の評判に影響したりお客とトラブルになったりするおそれがあるので注意しましょう。

出典:財務省|「軽減税率制度」について教えてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事ではROUNDUP関数の使い方や類似する関数について、お伝えしてきました。

ROUNDUP関数の仲間には指定した桁で四捨五入するROUNDU関数、指定した桁で切り捨てるROUNDDOWN関数もあります。

使い方は同じなのであわせて覚えておくとよいでしょう。