Excelを使い始めたばかりの頃は、困ることや、わからないことがいくつかでてくると思います。コメントの印刷方法がわからない、思ったように印刷ができないなども、わからないことの一つではないでしょうか。
コメント印刷の仕方や、印刷の際に気をつけたいこと、コメントはどういう時に使われることが多いのかなどを、Excelのコメントって何、そういうことができることを知らなかったという方にもわかりやすく、ご説明します。
目次
Excelはコメントも一緒に印刷できる
Excel コメントとは、いったいどういうものなのでしょうか。
コマンドと言われる機能の一つで、例えば売上一覧などの表のなかに特筆したいこと、データを共有しているメンバーに経緯や進捗などを簡潔に伝えたい時などに、吹き出しのように挿入できます。もちろん印刷することもできます。
特に必要がなければ印刷しない、表示する表示しないこともできます。
印刷するかしないかは、コメントを挿入した資料を誰向けに印刷するのかなど、状況によって異なり、時には上司の判断をあおぐ必要があるかもしれません。
Excelでコメントを印刷する場面
実際、コメントを印刷したいのはどんな時でしょう。
よくあるシーンとしては、以下のような場合が多いようです。
- 内部の打合せ資料として、経緯や進捗も含めて情報を共有したい
- 特筆して伝えるべきことがある(セルに設定する値など)
- ルーティーンな作業のなかに、イレギュラーが生じた場合の伝達手段
- フォーマットが決まっている文書の記入例の説明など
このように、特に注意してほしいことがあったり、ルーティーンにイレギュラーが加わる場合などの他、プロジェクトや事業の進捗を共有する際の特記事項、伝達すべきことがある場合にコメントも含めて印刷することが多くなるようです。
ここで、なぜクラウドで共有せず印刷するのか、疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。リモートワークが進み、多くのものがインターネットを介して共有はされますが、全ての業種、全ての企業や職種がそうなっているわけではありません。
特に、IT系やベンチャーなどを除いた小規模な企業の場合、まだまだDX化できていないところも少なくありません。そういう場合、売上会議の資料などはほぼ全て印刷し、紙ベースの資料をもとに会議が進みます。
また、何らかの配送業務を請け負っている企業や小規模な製造工場の場合などは、比較的年齢層の高いパートの方なども多く、全ての人がインターネットによる情報の共有ができる状況にないことから、Excelデータを印刷して使うシーンは多いので、コメントの使い方、印刷の仕方を覚えておくことをお勧めします。
Excelでコメント印刷のしかたを図解
ここからは、コメントの印刷方法を図で説明していきます。
コメントのつけかた
まずはコメントのつけかたをご紹介します。
▶▶【コメントをつけたいセルを選択】→【右クリック】→【コメントを挿入】
▶▶コメント欄が表示されるので、要件を入力します。
▶▶入力するとコメントが非表示になり、三角の赤いマークが表示されます。
このように、右クリックでポップアップを開き挿入する方法と、以下の方法があります。
どちらもコメント挿入ができるので、状況に応じて使い分けができます。
▶▶【コメントをつけたいセルを選択】→【ツールバーの閲覧】→【コメントを挿入】
※Excelのバージョンにより、ツールバーの表示が異なる場合があります。
コメントの挿入、入力と関連することとしてコメントの書式設定を併せてご紹介します。
▶▶【コメントを選択】→【右クリック】→【コメントの書式設定】
コメントの書式設定から、コメント欄のさまざまな設定ができます。
※コメントの書式設定は、Excelのバージョンやご使用環境により異なる場合があります。
コメントの表示と非表示
コメントは入力すると非表示になるように設定されています。
セルにマウスをおくと表示されます。
表示された状態を固定したい場合
右クリックでポップアップを開いて、表示、非表示の選択ができます。
▶▶【表示したいコメントを選択】→【右クリック】→【コメントの表示/非表示】
コメントを印刷する場合は必ず、表示される状態に設定しておいてください。
コメントの位置の変更
入力したコメントが表示される位置を少し変えたいと思う時があります。
例えば、複数のコメントを挿入していて全て表示すると重なってコメント内容が見えない、印刷の際にスッキリ見やすく体裁を整えたいなど、状況はさまざまです。簡単に移動できる方法をご紹介します。
▶▶【コメントを選択】→【右クリック】→【クリック&ドラッグで移動】
コメント印刷の設定方法
挿入したコメントを表示した状態で印刷をしたい時の方法をご紹介します。
まずは、印刷したいコメントをすべて表示にし、位置の重なりがないかどうか、全体の体裁が整っているかどうかを確認し、位置がずれている場合などは修正しておきましょう。
▶▶【ツールバーのページレイアウト】→【印刷タイトル】
▶▶ページ設定ダイアログボックスが表示されます。
コメントとメモ欄を【なし】から【画面表示イメージ】に変更します。
印刷プレビューで表示されていることを確認し印刷を実行してください。
※印刷プレビューで必ず位置の確認をすることをお勧めします。
状況によっては、会議直前でとても急いでいるなど、時間がなくて焦ることも珍しくありません。また、複数のメンバーでデータ共有している場合などでは、ページ設定やプリンターの設定そのものが変更されたままになっているということも稀に起こります。
そういう場合、気づかず印刷してしまうと経費の無駄にもなりますが、何より時間が無駄になります。業務を効率よくスムーズに進めるうえで、少し面倒に感じることや、大丈夫だろうと根拠なく安心してしまうと、後でやり直さなければいけなくなることも少なくありません。印刷実行の前には印刷プレビューで画面を必ず確認するいう習慣をつけておくと、いいのではないかと思います。
コメント印刷の解除方法
印刷設定と同じ手順でまずは
▶▶【ツールバーのページレイアウト】→【印刷タイトル】をクリック
▶▶ページ設定ダイアログボックスが表示されるので
【画面表示イメージ】→【なし】を選択するとコメントは印刷されません。
印刷プレビューで表示されていないことを確認し印刷を実行してください。
このように、印刷の設定も解除もとてもシンプルで簡単です。
それでも印刷がうまくできない場合は、コメントの表示/非表示の設定を確認してみるなど、基本設定から順を追って確認すると問題点が見つかりやすくなります。
Excelのコメント印刷で気をつけたいこと
Excelのコメント印刷で気をつけたいことは主に以下の2つです。
- 位置が適切か、わかりやすく読みやすいかという技術的なこと
- そのコメントは印刷すべきかどうかの判断
技術的なことは修正ができることであり、大きな問題になることは少ないと思われます。
ですが、コメントのなかには外部にだしてはいけないことが含まれる場合も、決して少なくありません。
コメントを挿入するExcelデータが、何の資料なのか、誰とどこまで共有することになっているのか、あらかじめ把握しておくことが大事です。企業にもよりますが、情報の共有範囲を決めているだけでなく、扱うデータによっては編集権限を決めていることも少なくありません。コメントも同じように、一定のルールに沿った運用を行っている場合もあるので、印刷の前に再確認するか、判断に迷う時は上司に確認することが望ましいと思われます。
Excelコメントは事業やプロジェクト進行管理に便利
Excelのコメントは、印刷で気をつけたいことでも少し触れたように、企業内や部署内など、比較的狭い範囲での複数人での情報共有に使われることが少なくありません。
企業によっては、VPNという企業専用のネットワーク上で情報を共有しているところもあり、その場合、Excel、WordといったOfficeを活用していることが多いようです。リモートワークの増加で、徐々にクラウドに移行してはいるものの、ネットワークシステムが変更になるだけで、Excelが不要になるというケースはそれほど多くありません。
Excelはなぜ、事業やプロジェクトの進行管理によく使われるのでしょうか。
それはコメント機能だけでなく、他の機能と組み合わせることで目的にあった表作成が可能だからではないかと思います。Excelで作成したスケジュール表に、タスク、担当、予定などを組み込むガントチャートを活用すると、関わっている全員が同じデータで進捗状況を共有できます。
そのなかに、その都度必要に応じコメントを挿入することも可能なので、カスタマイズしやすく共有しやすいことが大きな理由ではないかと思います。
コメントつきデータの共有で情報伝達をスムーズに
カスタマイズされたExcelの表にコメントをつけることで、情報を共有するまでの流れがスムーズになります。特に数字の管理をExcelで行っている場合など、セルの設定内容をコメントに入力して共有できるため、データ処理を行うメンバーが入れ替わっても、コメントを参照することで必要な情報が正確に共有できます。
その他、製造工場や加工工場のシフト管理、作業予定表など、特定複数の人が同じ情報を共有する必要がある場合にも、Excelコメントはとても有効に活用できます。一人一人に言葉で伝える、一斉にメールを送信することも伝達の方法の一つですが、その場合、時間も労力もかかります。またメールなどの場合は、読んだかどうかも不明なことがよくあります。読み流して覚えていないことも、時には起こります。
ですが、コメントでシフト表や作業予定表に伝達事項を入れておけば、必要な人たちに必要な情報を一斉に伝達することができ、タイムロスがなくなります。パートで勤務時間がバラバラの人が多い職場、年齢層が幅広くそれぞれの環境の差が大きい場合などは特に、コメントつきでシフト表を印刷することで伝達事項が漏れることを防げます。
このようにExcelコメントは、活用の幅がとても広いだけでなく、情報伝達を最速で行うことができる効率アップに欠かせないツールの一つです。
Excelコメントはチームでの仕事に最適
Excelコメント機能はカスタマイズ次第で活用シーンが広がります。
コメントの運用ルールをある程度明確にしておけば、情報の伝達がスムーズになるだけでなく、同じ情報を共有することが可能です。
同じ情報の共有には、表のなかにあらかじめ備考欄、特記事項欄を設定するという方法もありますが、それは経緯や進捗というより結果の共有に使われることが多いようです。組織によって運用ルールが異なるので、備考欄に進捗状況を入力し都度更新するという場合もあります。どちらが正解ということではありません。
タスクが多い、関わる部署や人が多い場合などは、コメント機能をフルに活用することで更新漏れや情報の重複を防げる可能性は高いので、チームで進める仕事には使い勝手が良く、とても便利な機能であると言えます。
まとめ
Excelコメントの印刷をする時、実は意外と考えなければいけないことがあると思っていただけましたか。仕事は、一つのことが複数のことにつながっているものです。
つい目の前のことだけ、一つの作業だけにとらわれてしまいそうになることがよくありますが、その前後の関係性をわかっていれば、機転を利かすことも、柔軟に対応することも自然とできるようになってくるのではないかと思います。それが仕事の幅を広げ、自分自身のスキルアップにもつながっていけばさらに仕事は面白くなるかもしれません。
初めてのことは、誰しも不安でわからないことだらけ。Excelなどパソコンソフトだけでなく、初めての就職、転職なども同じように不安でいっぱいになることもよくあります。そんな時は一人で考え込まないで、相談できる、アドバイスをしてもらえる誰かがいると心強いのではないかなと思います。