「今月一番売り上げたクライアントはどこだろう」
「たくさんあるデータから最大値を求めたい」
エクセルを使った作業中、こんな場面に出会ったときに活躍するのが最大値を求めるMAX関数です。
名前の通りなので非常に覚えやすいですね。
もちろん最小値を求めることも可能。
何万行とある膨大なデータで、目視をして探し当てるのは非現実的ですよね。
そこで今回の記事では、エクセルで最大値と最小値を求める関数を紹介していきます。
さらには、エクセルの画面下にあるステータスバーでも設定すれば、最大値や最小値も表示可能なので、ステータスバーを利用する方法を含めた最大値と最小値の求め方を解説していきます。ぜひ、最後まで目を通して参考にしてくださいね。
目次
エクセルで最大値と最小値を求める関数とは?
エクセルではMAX関数を使うことによって、指定した範囲内の最大値を求めることができます。
また、MIN関数では、指摘した範囲内の最小値を求めることができます。
たとえば
- クライアントの売上一覧から最高売上を求めたい
- クラスの定期試験の結果一覧から最高点を求めたい
- 月別の気温推移の一覧から最低気温を求めたい
など、指定した範囲の数値の中から最大値や最小値を求めることが可能になります。
まずは、MAX関数とMIN関数の基本的な構文と機能についてみていきましょう。
MAX関数とは
MAX関数とは、範囲にある数値のうち最大数を求める関数で、構文は次の通りです。
MAX(数値 1, [数値 2], …) |
MAX関数の構成要素には次の引数があります。
数値 1, 数値 2, …
数値1は必須入力項目で、それ以降の数値は省略可能です。
最大値を見つける対象となる数値を1から255個まで指定することができます。
使い方は次の通りです。
引数には、数値、数値配列、または数値を含む範囲を参照する名前かセル参照を指定します。
- 引数として指定した論理値と、数値を表す文字列が計算の対象となります。
- 引数に配列またはセル範囲の参照を指定した場合、そこに含まれる数値だけが計算の対象となります。 配列やセル範囲に含まれる空白セル、論理値、または文字列はすべて無視されます。
- 引数に数値が指定されていない場合、0 (ゼロ) が返されます。
- エラー値または数値に変換できない文字列を指定すると、エラーになります。
- セル参照に計算の一部として論理値や数値を表す文字列を含める場合は、MAXA 関数を使用します。
MIN関数とは
MIN関数とは指定した範囲の数値うち最小の値を求める関数で、構文は次の通りです。
MIN(数値 1, [数値 2], …) |
MIN関数の構成要素には次の引数があります。
数値 1, 数値 2, …
数値1を含むそれ以降の数値さ省略可能です。
最小値を見つける対象となる数値を最大 255 個まで指定することができます。
使い方は次の通りです。
引数には、数値、数値配列、または数値を含む範囲を参照する名前かセル参照を指定します。
- 引数として指定した論理値と、数値を表す文字列が計算の対象となります。
- 引数に配列またはセル範囲の参照を指定した場合、そこに含まれる数値だけが計算の対象となります。 配列やセル範囲に含まれる空白セル、論理値、または文字列はすべて無視されます。
- 引数の中に数値が含まれていない場合、0 (ゼロ) が返されます。
- エラー値または数値に変換できない文字列を指定すると、エラーになります。
- 論理値やテキストで表された数値を計算の一部として参照に含める場合は、MINA 関数を使用してください。
エクセルで最大値ではなく〇番目に大きい数をカウントしたいとき
MAX関数やMIN関数は最大値や最小値を求めるには便利です。とはいえ、2番目とか3番目など〇番目の値を求めたいようなときには使えません。
そこで活用できるのが、「LARGE関数」と「SMALL関数」です。
これらは上位及び下位の〇番目、という値を求めることができるのです。
LARGE関数とSMALL関数を利用すると、セル範囲の中で「〇番目の数」を求めることができます。
たとえば
- LARGE関数は売上の高いほうから数えて〇番目
- SMALLは少ないほうから数えて△番目
といったかたちで活用できます。
順番といえばRANK関数が一般的ですが、RANK関数との違いは「セル範囲の中の順位」を求めることに対し、LARGE関数やSMALL関数は〇番目(順位)に該当する「値」を求めることです。
それでは、LARGE関数とSMALL関数の基本的な構文と機能について、みていきましょう。
LARGE関数とは
LARGE関数とは、指定されたデータの中で k 番目に大きなデータを求める関数です。
この関数を使用すると、相対的な順位に基づいて値を選択することができます。
たとえば、LARGE関数を使って、ランキング第1位、第2位、第3位の得点を返すことができます。
構文は次の通りです。
LARGE(配列,率) |
LARGE関数の構成要素には次の引数があります。
【配列】
必須入力項目で、抽出の対象となるデータが入力されているセル範囲または配列を指定します。
【率】
必須入力項目で、抽出したい値の大きい方から数えた順位を数値で指定します。
使い方は次の通りです。
配列にデータが含まれていない場合、エラー値 #NUM! が返されます。
k ≦0の場合、またはkが対象となるデータの個数よりも大きい場合、エラー値 #NUM! が返されます。
nを範囲に含まれているデータの個数とするとき、LARGE(範囲,1) は対象となるデータの最大値を返します。また、LARGE(範囲,n) は対象となるデータの最小値を返します。
SMALL関数とは
SMALL関数とは指定されたデータの中で、k 番目に小さなデータを求める関数です。この関数を使うことで、相対的な順位に基づいて値を選択することができます。
たとえば、売上一覧で下から数えて第1位、第2位、第3位の得点を返すことができます。
構文は次の通りです。
SMALL(範囲,順位) |
SMALL関数の構成要素には次の引数があります。
【配列】
必須入力項目で、抽出の対象となるデータが入力されているセル範囲または配列を指定します。
【順位】
必須入力項目で、抽出する値の小さい方から数えた順位を数値で指定します。
使い方は次の通りです。
- 配列にデータが含まれていない場合は、エラー値 #NUM! が返されます。
- 順位が 0 以下、または対象となるデータの個数よりも大きい場合は、エラー値 #NUM! が返されます。
- nを範囲に含まれているデータの個数とするとき、SMALL(範囲,1) は対象となるデータの最小値を返します。また、SMALL(範囲,n) は対象となるデータの最大値を返します。
- 「#NUM!」とは、数式中の関数や数値に問題があるときや、入力された数値がエクセル扱える範囲を超えているときに表示されるエラー値のことです。
エクセルの最大値を色付けする方法
最大値の出し方がわかったところで、続いてはひと目で最大値がわかるようにセルの背景に色付けしていきましょう。
まず、セルを範囲選択し、ホームタブの、条件付き書式にいきます。その上位/下位ルールからその他のルールをクリック。
「新しい書式ルール」ダイアログボックスが表示されるので、上位の値を「」1と入力すれば最大値になります。設定したら書式ボタンを押してください。
続いて「セルの書式設定」ダイアログボックスが表示されるので、ここでは塗りつぶしタブを押し、任意の色】を選択してOKボタンを押します。
これで最大値に背景色が塗られましたね。
同じように最小値をに色を自動でつける際にも、条件付き書式と新しいルールで条件を指定すればOKです。
MAXIFS関数とは?
Windows2019を使用している場合、もしくはOffice サブスクリプションをお使いの場合は、Microsoft 365でMAXIFS関数という新機能を利用することができます。先にご紹介したMAX関数では、特定の範囲内の最大値を返しますが、条件を適用してデータを絞り込むことはできず、IF関数と組み合わせた複雑な式にしなければなりません。一方、MAXIFS関数は条件を最大126個まで指定することができます。構文は次の通りです。
MAXIFS(最大範囲, 条件範囲 1, 条件 1, [条件範囲 2, 条件 2], …) |
MAXIFS関数の構成要素は次の引数でできています。
【最大範囲】
最大値を求めるセルの実際の範囲です。
【条件範囲】
条件で評価するセルのセットです。
【条件1】
最大として評価されるセルを定義する、数値、式、またはテキストの形式での条件です。 同じ条件セットを、MINIFS、SUMIFS、および AVERAGEIFS 関数に対して使用できます。
【条件範囲 2, 条件 2, … 】
追加の範囲と対応する条件です。省略可能ですが、最大126個の範囲と条件をペアで入力できます。
注意条件が文字列の場合には「”(ダブルクォーテーション)」で囲み、各引数の行範囲は必ず合わせてください。 |
エクセルのオートSUMで最大値を求める方法
最大値は「オートSUM」の「▼」ボタンを使うことで簡単に求めることができます、
しかもこの方法では、セル範囲も自動で選択されるため非常に便利です。
最大値を求めたいCellをクリックし、ホームタブさら「オートSUM」の「▼」ボタンを押して「最大値」を選択します。エクセル上だ計算範囲が自動で指定されるため、確認して問題なければEnterキーで確定します。最大値が表示されるので、確認しましょう。
エクセルのステータスバーで最大値を表示させる方法
エクセルの画面下にあるステータスバーには、さまざま情報が隠されているのをご存知ですか?
たとえば、数値が入力された範囲をドラッグして選択すると、いちいち数式を入力しなくても平均や合計がわかるようになっています。
しかも、今回ご紹介した最大値も表示可能なのです。
最後にエクセルのステータスバーを使って最大値を求める方法をお伝えしていきます。
ステータスバーに最大値と最小値を表示するには、ステータスバーを右クリックして「ユーザー設定」から設定します。
最大値と最小値をチェックすることができるので、クリックしましょう。
調べたい範囲を選択すると、画面下のステータスバーに最大値と最小値が表示されますよ。
エクセルに表示されたマイナスをゼロにする方法
エクセルで計算式を使う作業をしているときに、計算結果がマイナスになることもありますよね。そんなときにもMAX関数は活用できるのです。
使い方はとてもシンプル。
=MAX(計算したい計算式,0)とMAX関数で使いたい計算式を囲むだけです。
たとえば、経理事務などで計算する際、マイナスを使うことも多いですが、マイナスを使わないでゼロと表示させた方が都合がいいこともあります。
そのようなときには次のような処理をしていきましょう。
=MAX(計算式,0) |
このように、計算式をMAX関数でネストするだけで結果をゼロにすることができます。
※ネストとは、あるものの中に、それと同じ形や種類のものが入っている状態や構造のことです。
MAX関数の一番大きな値を返すという特徴を利用して計算式とゼロと指定することで、計算式の結果がプラスの時は値が大きい計算式の結果を表示し、結果がマイナスの時はマイナスより値が大きいゼロを表示させることができる、というわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、エクセルで最小値を求めるMAX関数の使い方について解説してきました。MAX関数は、クラスでの高得点や取引のある顧客の最大売上を求める際に便利な関数です。4〜5個といった数えられるほどのデータであれば目視で対応する方もいらっしゃるかもしれませんが、膨大な行数がある場合、手作業や目視は現実的ではありません。
エクセルを使うときには関数の活用は必要不可欠です。また、近年のリモートワークの普及によって、オンライン上で作業可能なGoogleスプレッドシートをお使いの方もいらっしゃるでしょう。
若干の違いはありますが、エクセルと似たような関数がスプレッドシート上でも使えるので、ぜひ調べてみてください。関数スキルがあがると人的ミスを防ぐだけでなく、業務効率化にもつながるので、ぜひ本記事を参考にしてマスターしてくださいね。