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エクセルのAND関数の使い方|IF関数との組み合わせ方を解説

エクセルにはIF関数と呼ばれる条件に応じてさまざまな処理ができる関数が存在します。特にAND関数はよく使われる関数で「A かつ B」という条件を設定する際に使われます。論理関数とも呼ばれ、とある条件が満たされているかどうかを判定するために使われる関数です。

この記事ではAND関数の概要と使い方を解説します。IF関数との組み合わせ方や、よく使われるOR関数、NOT関数についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

AND関数の使い方

AND関数は、「A かつ B」といった条件を指定する際に使われる関数です。AND関数を使えば、IF関数をはじめとする関数で、任意の条件を設定できます。

例えば、=AND(A2>5000,A2<10000)という数式を記載すると、A2セルが5000より上なおかつ、10000未満となります。AND関数による条件はいくらでも入れられますが、全ての条件にてTRUE(真)が返ってこないと、TRUE値は出力されません。

下記によく使われる演算子をまとめるので、ぜひ参考にして下さい。

演算子の種類意味入力値の例
=等しい(イコール)=5(5と等しい)
<>等しくない<>5(5ではない,5以外)
<~未満<5(5未満)
>~より上>5(5より上)
<=~以下<=5(5以下)
>=~以上>=5(5以上)

AND関数と並んでよく使われるのがOR関数とNOT関数

条件式を設定するとなった場合、「なおかつ」だけでは到底あらゆるシチュエーションに対応できません。そこでよく使われるのがOR関数とNOT関数です。

OR関数は「または」を指し、NOT関数は「〜ではない」という否定を指しています。

例えば、=OR(A2>5000,A2<10000)という数式を記載すると、A2セルが5000より上、または、10000未満という意味合いになります。AND関数と同じくOR関数も条件をいくらでも設定でき、OR関数の場合は、どれか1つの条件がTRUEなら、TRUEが返されます。

NOT関数を利用した、=NOT(A2>10000)という数式を設定すると、A2が10000より上でなければという意味合いになり、AND関数、OR関数、NOT関数はそれぞれ違う用途があるため、覚えておきましょう。

論理関数とは

AND関数をはじめとした論理関数は、設定した特定の条件が満たされているのかどうかを判定するために使われる関数です。これらの関数の出力結果は「TRUE(真)」または、「FALSE(偽)」となります。

関数の種類説明・数式
AND関数(アンド関数)すべての引数が「TRUE」のときに「TRUE」 を返す例:=AND(A2>5000,A2<10000)
OR関数(オア関数)いずれかの引数が「TRUE」のときに「TRUE」を返す例:=OR(A2>5000,A2<10000)
XOR関数(エクスクルーシブオア関数)すべての引数の排他的論理和を返す例:=XOR(5000>0,6000<10000)
NOT関数(ノット関数)引数の論理値 (TRUE または FALSE) を逆にして返す例:=NOT(A2>10000)
FALSE関数(フォルス関数)論理値「FALSE」を返す。
IF関数(イフ関数)値、または数式が条件を満たしているかどうか判定する例:IF(A1=”100”,”◯”,”×”)
IFERROR関数(イフエラー関数)数式の結果がエラーの場合は指定した値を返し、それ以外の場合は数式の結果を返す例:=IFERROR(A4/B4, “計算エラー”)
IFNA関数(イフエヌエー関数)数式の結果が「#N/Aエラー」の場合は、指定した値を返し、それ以外の場合は、式の結果を返す
IFS関数(イフス関数)1つ、または複数の条件が満たされるかどうかチェックする。最初の「TRUE」条件に対応する値を返す。
BYCOL関数(バイカラム関数)各列にラムダを適用して、結果の配列を返す
BYROW関数(バイロー関数)各行にラムダを適用して、結果の配列を返す
LAMBDA関数(ラムダ関数)カスタムして再利用可能な関数を作成し、フレンドリ名で呼び出す
LET関数(レット関数)計算結果に名前を割り当てる
MAKEARRAY関数(メイクアレイ関数)LAMBDA(ラムダ)を適用して、指定した行サイズと列サイズの計算配列を返す
MAP関数(マップ関数)LAMBDA(ラムダ)を適用して新しい値を作成することで、配列内の各値を新しい値にマッピングして形成された配列を返す
REDUCE関数(リデュース関数)各値に LAMBDA(ラムダ)を適用し、アキュムレーターの合計値を返すことで、配列を累積値に減らす
SCAN関数(スキャン関数)各値にLAMBDA(ラムダ)を適用して配列をスキャンし、各中間値を持つ配列を返す
SWITCH関数(スイッチ関数)値の一覧に対して式を評価し、最初に一致する値に対応する結果を返す。 一致しない場合は、任意指定の既定値が返される。
TRUE関数(トゥルー関数)論理値「TRUE」を返します。

IF関数と組み合わせることが多い

AND関数、OR関数、NOT関数は、IF関数と組み合わせることが多いです。というのも、これら3つの関数はTRUEかFALSEを返すことになるため、単体で使ってもあまり意味がないからです。

IF関数は、条件がTRUEの時とFALSEの時で、異なる処理ができます。例えば、A2セルが10000以上だったら◯、それ以外は×を表示するといった処理です。数式の結果を返したり、任意の文字列を表示させられます。ただし、文字列を表示させるときは、ダブルクオーテーションマーク(””)で文字列の両端を囲う必要があるので覚えておきましょう。

&演算子とAND関数は別物

記号で表す「&」と、論理関数の「AND関数」は全くの別物です。「&演算子」は、文字列を結合する際に使われます。文字列結合に該当する関数は、「CONCAT関数」や「TEXTJOIN(テキストジョイン)関数」の2つが挙げられます。一方のAND関数は「〇〇かつ△△」という条件の判定に使われるものなので、使い分けを正しく覚えなければなりません。

&(アンド)演算子の使い方

「&」という記号を使えば、直感的に文字列の結合ができます。文字列の結合とは、セルの中身を計算するのではなく、文字列だけを結合する処置のことです。例えば、B2セルとB3セルを結合する場合は、「=B2&B3」というシンプルな数式で実現できます。関数を使わないので、直感的にわかりやすい数式です。

ただし、結合する文字列が増えるほど、「&」とセル番地が繰り返され、視認性の良さは失われます。CONCAT関数の方が視認性の良い数式になるので、結合する文字列の量によって使い分けましょう。

CONCAT関数とは

CONCAT関数とは、指定したセルの文字列、数値を結合する関数です。セルを範囲選択して、複数の文字列を結合できます。

CONCAT関数の引数

CONCAT関数は、引数に任意の文字列をとり、それぞれをカンマ(コンマ)で区切ります。範囲選択する場合は、「A4:D8」といったように、コロン(:)でスッキリとした見栄えにして結合可能です。複数の行(列)を結合した場合、左から右へ、上から下の順で文字列が結合されます。

CONCAT関数の使用例

CONCAT関数は、住所や名前、郵便番号など、複数のセルにまたがった文字列を結合する際によく使われます。例えばA2セルに「東京都」、B2セルに「新宿区」、C2セルに「東新宿」と入力されていて、これら3つの文字列を結合した場合、東京都新宿区東新宿と表示するのが、CONCAT関数の挙動です。

条件付き書式に活かす

エクセルには条件付き書式という簡単かつ便利な機能があります。さまざまな関数を使って、任意の条件を設定して、文字の装飾が可能です。例えば、選択した条件に一致したセルだけを赤色で装飾する、文字列を検索して、土曜日を青、日曜日を赤色に装飾するといった表現ができます。この条件付き書式は、AND関数やOR関数関数と組み合わせることが多いので、使い方を見ていきましょう。

条件付き書式に活かす

エクセルは、データの計算やグラフを作成する以外にも、カレンダー、イベントスケジュールといった表を作成できます。もしカレンダーを作ることになった際、白黒だと見栄えが悪く、視認性の悪いものが出来上がってしまいます。視認性を上げるにはどうすれば良いでしょうか?

おすすめなのは日曜、祝日に色を付ける方法です。手作業で色を付けていたら途方もない作業量が必要ですが、こういった場合にAND関数やOR関数は便利です。

条件付き書式とOR関数で休日に色を付ける

ホームタブの条件付き書式というボタンをクリックすると、さまざまな項目が出てきます。

今回のケースでは、「土曜日または日曜日の場合に文字色を赤文字にする」ことを目標に作業してみましょう。「もし土曜日または日曜日の場合なら赤色」といった条件で書式設定をしたいので、エクセルの知識がある方はIF関数とOR関数で実現できるのではないかと思うでしょう。答えはその通りで、実際にIF関数とOR関数を使った解説をみてみましょう。

特定の曜日に色を付ける

WEEKDAY関数の概要がわかったところで、実際に条件付き書式と組み合わせてみましょう。まずは下記のような表を用意します。

A列に日付、B列に曜日が入力された表です。これをベースに条件付き書式を設定していきます。

まずは見出しを除く表全体を範囲選択します。ここではA2セルからB25セルまでです。ホームタブの「条件付き書式」から「新しい書式ルール」を選択します。上記のような書式設定画面に遷移するので、項目の一番下にある選択肢「数式を使用して、書式設定するセルを決定」をクリックします。

今回のケースでは、土曜日か日曜日を赤文字にしたいので、「=OR($B2=”土曜日”,$B2=”日曜日”)」という数式を入れてみましょう。

次に画面右下の書式を選択して、フォントタブから文字色を赤に変えましょう。OKをクリックしたら、表の土曜日と日曜日に該当する部分が赤色に変わっています。

条件付き書式をコピーする

上記で設定したような条件付き書式をもっと広く、他のセルにも拡大したい。そう考えた方は、どのように設定するのが適切だと思いますか?

オートフィルを使うといちいち中身を消さなくてはいけないのが少し面倒くさいです。実はもっと簡単に、条件付き書式だけをコピーする方法があります。ホームタブの左上を見てみましょう。切り取りやコピーという項目があります。そこに「書式のコピー/貼り付け」というボタンが用意されているので、そちらを押してみましょう。「元の書式を保持」というボタンがあるのでそちらをクリックすると、書式をコピーできます。

まとめ

エクセルのAND関数は、「〜なおかつ」という意味を持つ関数です。OR関数やNOT関数とともに、IF関数でよく使われます。文字列結合をする演算子の「&」とは行う処理が全く異なるので、間違えないよう注意しましょう。

AND関数、OR関数、NOT関数の3つを知っていれば、条件式の設定が楽になります。

3つの関数は覚えておいて損はありません。また「なおかつ」「または」「ではない」という日本語的な意味も正しく理解してから使うようにしましょう。