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エクセルで割り算ができる関数はある?|四則演算ができる関数を解説

データ入力をする機会の多いエクセルでは、さまざまな計算をする関数があります。足し算や引き算であれば特段困ることはありませんが、割り算は整数で割り切れなかった時の「あまりの数」に関する表示をはじめとした、表示形式が多く存在するため。他の計算方法よりも扱いが難しいです。

「スラッシュ(/)」で割り算を行うのも良いですが、エクセルには割り算ができる関数が存在します。この記事では、エクセルで割り算を行うときのさまざまな表示方法について解説します。各四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)ができる関数についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

エクセルで割り算ができる関数はある?

エクセルで割り算を行う場合、関数を使った方法と記号を使った方法があります。順番に見ていきましょう。

QUOTIENT関数で割り算の商を求める

QUOTIENT(クオウシェント)関数を使うと、割り算の商を求めることができます。商とは割り算の答えの整数部分を指す値です。6÷2だったら商は3、7÷3だったら2と余り1となって商は2になります。

小数点以下は切り捨てられる点が特徴です。QUOTIENT関数の数式は下記のようになります。

=QUOTIENT(分子, 分母)

例えば6÷2という数式を表す場合は、分子が6、分母が2、商が3となって表示されます。引数の分母と分子には数値を直接指定するか、数値が入ったセルの番地を指定すると覚えておきましょう。引数に数値以外を指定すると、「#VALUE!エラー」 が返されます。

MOD関数で割り算の余りを求める

MOD(モッド)関数を使うと、割り算をした結果の余りを求めることができます。逆をいえば、MOD関数の数式の結果が「0」だった場合は、割り切れたことになり、やや複雑な関数です。例えば6÷2だったら商は3で余り0、7÷3だったら2と余り1となって、それぞれあまりの数が表示されます。MOD関数の数式は下記の通りです。

=MOD(数値,除数)

例えば7÷3という数式を表す場合は、数値が7、除数が3、商が2、余りが1となって、余りの「1」が表示されます。QUOTIENT関数と同様、引数の数値と除数には数値を直接指定するか、数値が入ったセルの番地を指定すると覚えておきましょう。こちらも引数に数値以外を指定すると、「#VALUE!エラー」 が返されます。

四則演算ができる他の関数

割り算をQUOTIENT(クオウシェント)関数とMOD関数で表すように、他の四則演算も対応する関数があります。それらの関数は下記の通りです。

関数計算
SUM関数例:=SUM(A2,B10)=SUM(C3:C5)=SUM(1200,4000)足し算
SUM関数例:=SUM(A2,B10)=SUM(C3:C5)=SUM(1200,-4000)引き算(数値をマイナスにすることで、SUM関数が実質的に引き算になる)
PRODUCT関数例:=PRODUCT(A2,B10)=PRODUCT(C3:C5)=PRODUCT(1200,4000)掛け算
QUOTIENT関数、MOD関数例:=QUOTIENT(A2,B3)=MOD(D3,J8)割り算QUOTIENT関数は商を求めるMOD関数は余りを求める

SUM関数の使い方

SUM関数は、エクセルの基本的な関数の1つで、簡単かつ知名度のある関数です。SUM関数は引数にセル番地や数値を直接入力します。数値を加算していくので、マイナスの数値を指定すれば、実質引き算も可能です。

どういうことかというと、10000+20000であれば30000になりますが、(+10000)+(-20000)という数式になると引き算になって計算結果が-10000となります。

SUM関数は使う機会が非常に多く、エクセルのホームタブにオートSUMボタンが搭載されています。

PRODUCT関数の使い方

SUM関数と同様、引数にセル番地や数値を直接指定する関数です。SUM関数の使い方がわかっていれば、特に困ることもありません。

算術演算子でも割り算ができる

エクセルでは、QUOTIENT(クオウシェント)関数やMOD(モッド)関数を使わずとも、算術演算子で割り算ができます。割り算を行う算術演算子は半角のスラッシュ「/」です。関数との違いは、あまりの部分を小数で表示する点です。例えば10÷3は「=10/3」と表されるのですが、計算結果は3.33333となります。小数点を第何位まで表示するか、切り上げるか切り捨てるかも設定できます。

他の算術演算子

割り算は半角スラッシュで表しますが、他の四則演算も特定の算術演算子で表現できます。対応する演算子は下記の通りです。

演算子計算
+(半角のプラス)例:=A2+B10=5000+2000足し算
-(半角のマイナス)例:=A2-B10=5000-2000引き算
*(半角のアスタリスク)例:=A2*B10=5000*2000掛け算
/(半角の割り算)例:=A2/B10=5000/2000割り算

足し算は半角のプラス、引き算は半角のマイナス(ハイフン)、掛け算は半角のアスタリスクで表現します。足し算引き算は感覚的にわかりやすいですが、掛け算はアスタリスクを使って表現するので注意が必要です。

ROUND関数で四捨五入する

エクセルで割り算をすると、小数点の扱いに困る方は多いのではないでしょうか?割り算をすると余りが出てしまうため、結果を他の計算に使う際に困ってしまいます。

エクセルで会計処理や研究・分析をする際に使う方にとっては、必ずと言って良いほど使用機会があるのが数値の「四捨五入」です。ROUND(ラウンド)関数を使えば簡単に四捨五入をしたデータを作成できます。

例えば「1234.56789」という数値を四捨五入するケースです。ROUND関数の数式は、下記のようになります。

=ROUND(数値, 桁数)

引数は以下のようになります。

引数特徴
数値四捨五入をする元の数値、またはセル番地
桁数四捨五入して、小数点第何位まで表示するか

第2引数の桁数は、中々イメージが湧かないと思うので、下記の表をご覧ください。

※A1セルには「1234.5678」という数値が記入されています

ROUND関数の数式四捨五入されて表示される数値四捨五入される位
=ROUND(A1,0)1000百の位
=ROUND(A1,0)1200十の位
=ROUND(A1,0)1230一の位
=ROUND(A1,0)1235小数点第1位
=ROUND(A1,1)1234.6小数点第2位
=ROUND(A1,2)1234.57小数点第3位
=ROUND(A1,3)1234.568小数点第4位

ROUND関数の第1引数である数値は、数字を直接入力するか、セル番地を指定します。上記の表でA1セルを指定しているように、四捨五入したいデータがあるセルを指定すれば大丈夫です。

桁数に関しては0以上を指定すれば小数部分が、マイナスの値を指定すれば整数部分が四捨五入されます。

例えば「1234.5678」を小数点第2位まで表示したいと思ったら、任意のセルに下記の構文を入力します。

=ROUND(A1,2)

このように入力すれば小数点第3位が四捨五入されて「1234.57」というデータが作成されるのです。

切り上げるには「ROUNDUP関数」を使う

続いて数値の「切り上げ」には、ROUNDUP(ラウンドアップ)関数を使います。構文は以下の通りで、数値、桁数の指定はROUND関数と同じです。

=ROUNDUP(数値, 桁数)

ROUND関数との違いは、桁数で指定した桁よりも下の桁を切り上げるという点です。1〜9のどの値でも繰り上がるので、四捨五入との使い分けに注意してください。

※A1セルには「1234.5678」という数値が記入されています

ROUNDUP関数の数式切り上げて表示される数値切り上げる位
=ROUNDUP(A1,0)2000百の位
=ROUNDUP(A1,0)1300十の位
=ROUNDUP(A1,0)1240一の位
=ROUNDUP(A1,0)1235小数点第1位
=ROUNDUP(A1,1)1234.6小数点第2位
=ROUNDUP(A1,2)1234.57小数点第3位
=ROUNDUP(A1,3)1234.568小数点第4位

ROUNDUP関数で指定する数値は、直接入力するかセル番地を入力すれば大丈夫です。上記の表でA1セルを指定しているように、切り上げたいデータがあるセルを指定すれば大丈夫です。

例えば「1234.5678」を小数点1位まで表示したい場合は、任意のセルに下記の構文を入力します。

=ROUNDUP(A1,1)

このように入力すれば小数点第2位が切り上げられて「1234.6」というデータが作成されます。

切り下げるには「ROUNDDOWN関数」を使う

数値を「切り下げ(切り捨て)」するには、ROUNDDOWN(ラウンドダウン)関数を使います。”切り下げ”と”切り捨て”は同じ意味です。数式は以下の通りで、数値、桁数の指定もROUND関数と同じです。

=ROUNDDOWN(数値, 桁数)

※A1セルには「1234.5678」という数値が記入されています

ROUNDDOWN関数の数式切り捨てされて表示される数値切り捨てされる位
=ROUNDDOWN(A1,0)1000百の位
=ROUNDDOWN(A1,0)1200十の位
=ROUNDDOWN(A1,0)1230一の位
=ROUNDDOWN(A1,0)1234小数点第1位
=ROUNDDOWN(A1,1)1234.5小数点第2位
=ROUNDDOWN(A1,2)1234.56小数点第3位
=ROUNDDOWN(A1,3)1234.567小数点第4位

ROUND関数との違いは、桁数で指定した桁よりも下の桁を単純に切り捨てるという点です。1〜9のどの値でも切り下げられてしまうので四捨五入との使い分けに注意してください。

ROUNDDOWN関数で指定する数値も直接入力する必要はありません。上記の表でB3セルを指定しているように、切り捨てたいデータがあるセルを指定すれば大丈夫です。

例えば「1234.5678」を小数点1位まで表示したいと思ったら任意のセルに下記の構文を入力します。

=ROUNDDOWN(A1,1)

このように入力すれば小数点第2位が四捨五入されて「1234.5」というデータが作成されます。

表示形式の変更でも四捨五入ができる

セルを右クリックするか、ホームタブ数値グループをクリックすると、表示形式の変更ができます。表示形式を数値にすると小数点以下の桁数という欄が出てくるので、そちらを任意の桁数に指定してあげるだけで四捨五入が完了です。

例えば「1234.5678」という数値を「1234.6」といった風に四捨五入したいと思ったら、小数点以下の桁数を”1”に指定するだけで四捨五入が完了します。

表示形式を変更して四捨五入する際に注意しなければならないのが、元データが四捨五入後の数値に置き換わるわけではなく、見た目のみの変化である点です。表示形式の変更で四捨五入を擬似的に行ったセル番地でまた計算してしまうと、想定していた計算結果が得られないかもしれません。

まとめ

エクセルで割り算を行うには、QUOTIENT関数かMOD関数を使う方法か、半角のスラッシュ「/」を使いましょう。QUOTIENT関数では商を、MOD関数を使うと余りを求められます。

小数点の扱いに困ったらROUND関数による四捨五入か、ROUNDUP関数による切り上げ、ROUNDDOWN関数による切り捨てを行いましょう。