近年は終身雇用という考えが、企業側にも働く側にもほぼ通じなくなってきています。ビジネスのライフサイクルが短くなってしまったので、同じ会社で何十年も働くことがモデルとして難しくなってきたということでもあります。
あれほど苦労して勝ち取った就職先でも、新卒の3年以内の離職率は3割を超えているのが現実です。転職というのはもはや当たり前のこととなったといってよいでしょう。
とりわけ女性の場合は「結婚」「出産」といったライフイベントがあるため、転職のタイミングについては頭を悩ませる方も多いことでしょう。今回はそんな転職のタイミングについて事例を見ながらあなたにとって最も良いタイミングを見つけていきましょう。
目次
転職はやはり若い方が有利なのか?
男性女性にかかわらず転職には社会人経験が3~5年ぐらいが有利だといわれています。その理由は・・・
・社会人経験が3~5年あれば一通りのビジネススキルは最低限、身についているということがイメージできるから
・とはいうもののまだまだ伸びしろも期待でき、あまり変な色に染まってないのでいまからでもこちらの色に染めることができるから
であると考えられます。しかし、これは年齢の問題ではなく、あくまでも社会人経験年数次第です。
とはいえ女性の場合は・・・
とはいうものの女性の場合は先ほど書いたように「結婚」「出産」という大きなライフイベントが20代の後半から30代で訪れます。せっかく雇用した人材が入社後すぐに離職してしまうというリスクを企業側はどうしても考えてしまいます。
30歳を超えて転職活動をする場合には、それまでに実績やスキルを積み、企業の懸念を払拭できる明確なキャリアプランを示す必要が出てきます。逆に、しっかりとキャリアプランを構築していれば30歳を超えても問題なく転職ができるということです。
結婚や出産と転職のタイミングは?
結婚や出産と転職のタイミングは、多くの女性が頭を悩ませる問題ですが、ベストな時期は状況によって異なるというのが正直なところです。
なぜなら、結婚の場合、相手によって置かれる状況が異なり、望む望まざるにかかわらず、退職や転職をせざるを得ないということが考えられます。
これは出産も同様で、計画どおりになるほうが少ないくらいで、思いがけず妊娠する場合もあれば、その逆でなかなか子宝に恵まれずに仕事を辞めて妊活に励む方もいます。さらには出産後に、保育園に入れないなど様々な理由で退職を余儀なくされる場合だってあるのです。
もし、結婚や出産で退職せざるをえない状況になり、将来的には復職を希望する場合には、休んでいるあいだに新たに仕事に役立つ資格を取得したり、子育ての経験を活かした分野に転職したりするなど、前向きに考えましょう。
◇結婚を機に転職をするのなら
結婚の一年以上前に転職を検討するのがベストと言えます。なぜなら・・・結婚をしてからの転職の場合は企業が「すぐに産休・育休をとるのではないか?」と考えることが非常に多く、雇用の確度が著しく低くなるからです。実際の体験者の声でも・・・
・結婚のために転職したが「女性は結婚したら、出産・育児のためすぐにいなくなる」という固定概念を持っている経営者が多かった。そのため「本当に採用してもらえる会社があるのか」と不安だった。(31歳)
・結婚直後に転職活動をしたが、正社員の面接で「結婚しているけど出産の予定は?」「今後子どもが生まれても仕事を続けていけますか?」など育児に関する質問をされ、結果不採用になることが多かった。(26歳)
という声が非常に多いのが現実です。
◇出産を機に転職をするのなら
企業によっては、労使協定によって入社後1年未満の育児休業が認められていないケースや、都市部では、保育園不足が深刻な状況で、仕事が続けられない場合もあります。また、子供が小さいうちは、急に仕事を休まなければならないことも多いため、企業が採用を敬遠する可能性もあります。
そのため、出産後の転職は、子育てがある程度落ち着いてからするのがおすすめです。具体的には3年ほどたってからの転職が現実的と言えます。
ライフイベントを機に転職を考えるのなら将来の人生設計までしっかり立てておきましょう!!
冒頭でもお話ししたように結婚や出産などで転職する場合は置かれている環境があまりにもそれぞれに違うので、一概に何が正解とは言えません。その分、自分とパートナーでしっかりとどういう人生設計にしていくのかを話し合う必要があります。
育休制度やワーク・ライフ・バランスも大切ですが、それだけを重視して給与面をおろそかにすると、生涯賃金に差が出てしまいます。将来設計に合った条件の会社を探しましょう。
また、あまりにも福利厚生を重視する理由での志望動機は企業側の心証が悪くなる恐れがあるので気を付けましょう。
あなたにとってのベストな転職のタイミングをキャリチェンであれば一緒に考えさせていただきます。