転職すると生活のいろいろなことが変わります。その中でも大きな変化は恐らくお金のことでしょう?お金のことは大事と思いながら、なかなかきちんとして知識を持っていないことがあります。
正しい知識を持つことで、無駄な出費を抑えて賢く生きていきましょう!!
目次
年収について
直近の転職で年収がどう変わったかとその金額を聞きました。増えたという回答は全体の約4割、減ったという回答が約3割、変わらないという回答が約3割でした。年代によって多少傾向が違い、20代の半数弱は変わらなかったと回答しています。
日経キャリアネットさんの調べで、増減した金額をまとめたものが下記のグラフです。年代によって数字の違いはありますが、増額した場合でも減額してしまった場合でも50万~100万円という回答がいちばん多くなっています。
転職したからと言って年収が必ずしも上がるとは限らないことがわかりますね。では、年収が上がらない転職についてどのような気持ちなのかをまとめたグラフが次の通りです。
こちらのグラフでもわかるように、若ければ若いほど、年収のためだけに働いていないという考え、つまり・・・年収が下がるとしても他の条件が合致すれば転職をしたいと考える人が多いようです。
雇用保険について
雇用保険は、加入者の失業中や育児介護期間中のサポートをしてくれる大切な制度です。ただ、雇用保険の内容や手続きについては、ほとんどが会社任せで、正直言って詳しいことがよく分からないという人は多いでしょう。とくに失業給付金、いわゆる「失業手当」を受け取るときや転職するときには、雇用保険のしくみを自分自身である程度理解したうえで手続きを進めた方が安心です。
労働時間と雇用保険の関係知ってますか?
一定以上の労働契約条件で働いている人は、雇用保険の加入義務があります。具体的な数字としては・・31日以上の雇用見込みがあり、週20時間以上働いている人に対して、企業側は届出を行わなければなりません。そのため、パートタイムの方でも上記の数字を上回るのであれば、正社員と同じ保障が受けられるということになります。
逆に、労働時間が週20時間未満だと、雇用保険に加入できません。31日以上の雇用見込みがない労働契約の場合も、同様に対象外となります。自分自身の雇用保険への加入が気になる方は、契約形態を把握するのではなく、自分が働く時間と日数を確認するとよいといえます。
なお、就業当初の契約では労働時間が週20時間以上だったとしても、途中で変更され、週に20時間以下になった時点で原則として資格が失います。他にも、労働条件に当てはまっていたとしても、働いている事業所自体が雇用保険の適用の対象になっていないケースもあります。労働時間を満たしていても、それだけでは雇用保険への加入が義務じゃない場合もありますので、働く事業所に確認してみるとよいでしょう。
雇用保険の失業給付金の金額と日数
雇用保険に加入した状態で働いていれば、いざ、失業した際に失業給付金(失業手当)を受け取ることができます。失業手当としてもらえる金額は、最新の給料の額によって異なります。ただし、基準となる金額にはインセンティブやボーナスは含まれません。具体的な1日の支給額(基本手当日額)は「離職前の6カ月間の給料額の合計÷180」で計算できます。また、失業給付金を受け取れる期間は、対象者の年齢および雇用保険に入っていた期間によって決定されます。
失業給付金の受給条件
失業給付金をもらうにはいくつかの条件があります。まずはその条件を確認しましょう?
失業状態であること
ここでいう「失業状態」とは、労働しようという意思と能力があり、積極的に仕事に就くための転職活動をしていながら、仕事に就くことができない状態にあることを指します。
ややこしいですが・・・つまり「やる気も、能力もあり、努力もしているけど働けていない」という状態です。したがって、雇用保険の加入者であっても次のようなケースは失業とは認められないので注意しましょう。
- 家業に専念することになった/家業や家事の手伝いをしている
- 学業に専念することになった
- すでに次の就職先が決まっており、転職活動をする予定がない
- 自営業を始めた(準備を含む)
- 会社や団体などの役員に就任した
退職した理由が学生になるから、独立するからといった内容だと失業手当が出ないということですね。ただし、以下の場合は失業給付金の受給期間延長手続きを行うことによって、働ける環境が整ったあとで給付を受けることが可能です。
- 病気、ケガ、妊娠、出産、育児などのためすぐに働けない
- 病人を介護する、などのためにすぐに働けない
退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12カ月以上ある
賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1カ月として数えます。ただし、特定受給資格者や特定理由離職者については、退職日以前の1年間に、雇用保険に加入していた月(賃金支払いの基礎となった日数が11日以上)が、通算して6カ月以上ある場合も可。
- 特定受給資格者とは:倒産、リストラ、解雇などによって失業した人
- 特定理由離職者とは:契約更新を希望したのに更新されずに期間満了となった人や、病気、出産、配偶者の転勤などの理由で失業した人
ハローワークに求職の申し込みをしている
ハローワークで渡される「求職票」に氏名や住所、経歴や就職の希望条件などを記入し、提出することで求職の申し込みを行います。失業給付金の受給手続きの最初に行うべきものです。
税金について
退職の意思を会社に伝えたあとは、退職日を決め、退職届を提出し、必要な引き継ぎや有休消化をしたあとに退職、という流れが一般的です。法的には退職の意思を伝えた2週間後には退職できるルールですが、こうした会社での手続きがあるので、退職まではスムースにいってもおおよそ1~3ヶ月程度かかるものだと思っておくのがいいでしょう。
税金の手続きは、これに合わせて行います。一部の手続きは退職後に行う場合もあります。注意したいのが、すぐ転職するかしないかによって手続きが異なることです。手続きは厳密で、退職日の翌日に次の会社に入社する場合と1日でもブランクができる場合とで違ってきます。
すぐに転職する場合
①退職する会社から「源泉徴収票」をもらい、転職する会社に提出する
②市町村から住民税の明細と納付書が送られてくるため、転職する会社に提出して給与天引きの手続きを行う
すぐには転職しない場合
① 退職する会社から「源泉徴収票」をもらい、翌年に確定申告をする
(退職と同年内に再就職した場合は不要)
②住民税は退職する月によって手続き方法が異なるので、確認して対応する
・1~5月に退職:最後の給与や退職金などから残った税金を一括して支払
・6~12月に退職:一括または分割して自分で納付
所得税と住民税
所得税は、現在働いている会社では給与の金額から概算で収めています。そのため、正しい税額を計算する必要があります。同年内に再就職した場合は、転職先に源泉徴収票を提出すると、会社が年末調整という手続きで計算してくれます。しかし、すぐに転職しない場合、転職が翌年以降になってしまう場合は、自分で税額を計算し確定申告を行わなければなりません。
住民税は、退職日より1ヶ月以内に転職するならば、転職先で給与から天引きしてもらうことができます。そうでない場合、5月までに退職するときは最後の給与の手取り額が少なくなりがちなので要注意。6月以降に退職するときは一括か分割か自分で選んで納付します。
転職コストについて
転職活動にはこんなコストがかかります。
面接へ行くための移動費・交通費
電車で移動するとしても、交通費は意外にかかるもの。特に遠方へ行ったりタクシーを使わざるをえなかったりすると交通費がかさみます。場合によっては宿泊費がかかることもあるでしょう。現在は一次面接はウェブ面接で対応する企業が増えてきています。活用できるものはうまく活用していきましょう。
提出書類関係
履歴書や職務経歴書のプリント代、それを送るための郵便代、証明写真代など、こまごまとした費用も数が多いとそれなりの金額になります。書き間違いなどでもコストがかかりますので、しっかり下書きして使いましょう。
服、靴、バッグ等
転職の面接に使い古した格好で臨むわけにもいきません。新しいスーツを買ったり、靴やバッグを新調したりする必要があるかもしれません。
知識がないために損をしてしまうことになるのはもったいないです。事前に調べて賢い転職活動をしていきましょう。