新型コロナ感染拡大を受けて、4月6日に安倍総理が 改正新型コロナウイルス等対策特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく「緊急事態宣言」の発動を発表しました。4月7日の諮問委員会で専門家などの意見を聞いた上で最終的な宣言をするとされています。
メディアでは盛んに海外で行うようなロックダウンとは違うということを報じていますが、現実的に私たちの働き方はいったいどう変わるのでしょうか?また、緊急事態宣言を発動を受けて企業はどのような対応をしたのでしょうか?個別でみていきましょう。
目次
緊急事態宣言について
4月7日に発動が予定されている「緊急事態宣言」ですが、そもそもどういったものなのでしょうか?
緊急事態宣言とは?
緊急事態宣言とは新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく宣言で総理が発動の権限を持っています。今回の発動は 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県が対象で、期間はGW明けとなる5月6日までではないかとみられています。
このように宣言により区域や期間を指定するのは政府ではありますが、具体的にどのような措置を行うという部分については、対象区域の都道府県知事が行う仕組みになっています。つまり、東京の場合は小池都知事が外出自粛要請や学校や各種施設の使用制限、各種イベントの開催中止の要請を行うことになります。
ロックダウン(都市封鎖)と何が違うのか?
現在、ニューヨークやロンドン、パリ、ローマなどで行われている「ロックダウン」と今回の「緊急事態宣言」とは強制力に大きな違いがあります。海外では外出する際には現在、ニューヨークやロンドン、パリ、ローマなどで行われている「ロックダウン」と今回の「緊急事態宣言」とは強制力に大きな違いがあります。
海外では外出する際には外出許可証が必要であったり、それに違反すると違反金の支払いが必要であったりします。何度も違反を繰り返す場合は数十万円の違反金を支払うことになったり、逮捕される場合もあります。
これに対して日本では緊急事態宣言が発動されても政府や都道府県が要請する外出自粛には強制力がありません。あくまでも要請になるので、最終的な判断は一人一人の国民に委ねられます。しかし、この宣言が発動されるということは間違いなく新型コロナウィルスの感染拡大の危機が迫っていることを示していますので、これ以上の拡大を防ぐためにも、個人が危機意識を高く持ち、節度のある行動をすることが求められていると言えるでしょう。
店舗はどうなるのか?
生活に必要な日用品を取り扱うスーパーなどは営業を続けます。日用品の購入における外出も制限されませんので、食品やトイレットペーパーなどの買い物をするのは自由です。なので、買い占めなどの行動をしないよう意識しましょう。
しかし、生活インフラ以外の飲食店やナイトクラブ、百貨店などは多くの店がお店を開けていてもお客さんが来ないという理由もあり、期間中は営業を自粛することが想定されます。
それに伴って飲食店やナイトクラブで働く人は休職を余儀なくされることでしょう。
気になる各企業の対応は?
中部地方の企業
今回の緊急事態宣言の対象地域にならなかった中部地方の企業では東京出張などの自粛が行われているようです。
トヨタ自動車
現在、全社的に推奨している在宅勤務を5月6日まで継続します。東京では3月下旬から、原則在宅勤務にするよう従業員に指示していましたが、今回の緊急事態宣言を受けて、そのまま在宅勤務の継続を決定しました。本社のある愛知県には全従業員の2割にあたる約7万人の社員がいます。愛知県の従業員には東京への不要不急の出張は自粛していくことになります。
DMG森精機
東京にある本社とグループの開発拠点で働いている従業員を対象に電車やバスなどの公共交通機関での通勤は3月下旬から禁止にしています。タクシーやマイカー、バイクなどで出社可能な従業員はそれを認め、無理な従業員は在宅勤務で対応としています。通勤にかかるタクシー代や駐車場代は会社が負担する仕組みとなっています。
ファミレス各社
すかいらーくホールディングス
「ガスト」「ジョナサン」といった店舗を経営しているすかいらーくホールディングスは原則として営業を継続されるそうです。宅配やテイクアウトについては外出自粛要請によりニーズが高まるので人員を増やして強化する予定です。
緊急事態宣言の対象地域となった東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府、福井県、福岡県の各店舗では深夜営業を短縮して、22時で閉店する対応をとっているようです。
ロイヤルホールディングス
ロイヤルホスト、てんやなどを経営しているロイヤルホールディングスは一部店舗の臨時休業と時間短縮営業を決めました。(4月5日現在)
サイゼリア
サイゼリアでは 食事に不便を感じる方への場を提供する使命を果たすとして、できる限りの営業を継続するとしています。また、同店では、料理と一緒にワイン等の酒類を販売していましたが、酒量は増えるにつれて、 気持ちを大きくして、お客さん同士の接近も誘発してしまう場合があるということを避けるため、酒類の販売を制限することを決定しました。
ファーストフード店舗
マクドナルド
東京都内では24時間営業を含めた、深夜営業の取りやめの措置をとっています。
ケンタッキー・フライド・チキン
3月26日から全国1130店舗のうち関東や関西を中心におよそ440店舗で夜間の営業時間を2時間短縮し、原則、20時までとしています。
緊急事態宣言を受けてこの措置の期間を5月6日までとする方向で検討しています。
コーヒーチェーン
スターバックス
緊急事態宣言の対象となる7都府県の約850店舗については4月9日から当面の間と期限を付けずに休業となっています。対象の地域以外では、19時までの短縮時間でソーシャルディスタンスを配慮した座席配置に変更して営業をします。
ドトールコーヒー
ドトールコーヒー、エクセルシオールなどを展開するドトールコーヒーでは4月8日から5月6日までの間、対象となった7都府県の約250店舗について、臨時休業すると発表しました。フランチャイズ店については随時対応を協議中のようです。
まとめ
緊急事態宣言が出ることで、多くの企業は従業員に対して政府の方針に従い「外出自粛」を要請している・・つまり、在宅勤務を指示しているケースがほとんどのように見受けられます。
どうしても対面での打ち合わせが必要な場合は、ある程度の広さの空間で2メートル以上の距離を取りマスクなどを利用しながらMTGをすることをお勧めいたします。