本来、全員が帰れるはずの定時。それなのに残業することが、いつの間にか当たり前になっていないでしょうか?まずは、残業が発生してしまう原因や、解決方法を考えて残業をなくしましょう。
「残業ばかりで平日は仕事しかしていない…」なんて状況だと、週末だけを楽しみに待つ日々になってしまいます。きちんと定時で上がることができれば、プライベートの時間が増えて、趣味を楽しんだり仕事帰りに買い物や食事に行ったりと、生活がもっと充実しますよ。
目次
会社によって「定時」は違う?定時の定義を確認
そもそも「定時」とは何かについて、理解をすることから始めましょう。
定時とは、会社の就業規則に記載されている勤務時間のことであり、法律で明確に定められている物ではありません。
そのため会社によって定時の定義は異なり、自由に決めることができます。これを「所定労働時間」と言います。
法律で定められた労働時間の限度のことを「法定労働時間」と言い、こちらは1日8時間勤務と決められていて、職場や職種による例外はありません。
これに加えて、法定労働時間に対して休憩時間1時間を設ける必要があるため、8時〜17時や9時〜18時のように9時間の間隔で稼働時間を決め、定時とする会社が多いです。
一般的な定時のイメージとは異なる形式に「変形労働時間」「シフト制」が挙げられます。
変形労働時間制の場合は、繁忙期は9時〜20時(休憩1時間)の10時間労働、閑散期は12時〜18時の6時間労働のように、トータルの稼働時間で法定労働時間を調整します。
飲食店や小売業のように、労働時間や出勤日を分ける必要がある職種ではシフト制と呼ばれる形式であることが多く、早番、遅番のように勤務する時間帯をずらすようにして対応します。
この他に、業務内容によっては夜勤や変則的に24時間稼働する職種も存在するため、定時については会社ごとに就業規則や雇用契約書を確認する必要があります。
なぜ定時で帰れない?その原因とは?
法定労働時間は、1日8時間の週40時間と決められています。法定労働時間とは労働時間の上限のため、例えば定時が9時〜18時の場合、18時以降に働いてはいけない決まりなのです。それなのに、どうして時間になっても帰れないのでしょうか?その原因を考えることで改善できる可能性が高まります。
企業側の事情
定時で帰れない理由として最も多くあげられるのが、「仕事量が多い」ということ。最初から定時で終わらないほどの仕事量が割り当てられているため、会社が社員の残業に依存している状態なのです。そのため、社員は慢性的に残業を強いられてしまいます。
また、同じく企業側の事情としてあげられるのが「人手不足」という問題。業績が悪く人件費をかけられないことにより、慢性的な人手不足も一人一人の残業量に影響してきます。
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職場の雰囲気
仕事量だけではなく、「職場の雰囲気」によって定時で帰ることが出来ないというケースも。自分の仕事が終わっているにもかかわらず、他の人が仕事をしているとなんとなく退社しにくいという、日本ならではの風潮があります。
また、「長時間労働している社員を評価する」という制度があると、定時で帰宅しにくいという風潮になってしまいます。残業していることが仕事をしている、会社に貢献していると見なされているために、日本企業では残業が一向に減らないのも理由の一つです。
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自分の能力不足
そのほかには「自分の能力不足」という問題もあげられるでしょう。要領が悪い、時間管理のスキルが足りていない、時間を意識しながら働いていないなどの原因が考えられます。このような場合は、自分の能力不足の可能性が高いかもしれません。
定時で帰れないのは自分の能力不足だけではなく、会社の風土が原因の場合もある。
定時で帰る方法
上であげたように、企業側の事情による残業は自分ではどうにもできません。しかし、職場の雰囲気の問題や自分の能力不足が原因であれば改善することは可能です。
ここでは現職にいながら定時で帰る方法を紹介します。残業はしないと決め、考えを改めていけば少しずつでも残業を減らすことができるでしょう。
定時で帰ると決める
どうせ帰れないから…とだらだらと仕事をしていないでしょうか?毎日何時間も残業をし、睡眠をきちんと取れないでいると、翌日も眠気が取れず仕事に集中しづらくなってしまいます。そして、また残業が増えていくという悪循環に陥ってしまうでしょう。
定時で帰ると強く心に決め、時間内に仕事を終わらせようとすれば、集中力が上がり生産性が向上します。定時で帰りきちんと睡眠を取れば、翌日もまた生産性が上がり早く帰ることが可能になり、悪循環を断ち切ることができます。
休憩をこまめに取る
お昼休憩ぐらいしか取らずに、あとはずっと仕事をしていると頭が疲れてしまい、集中力も落ちてしまいます。
1時間働いたら休憩を挟むなど、こまめにリフレッシュの時間を取ることで切り替えができ、仕事に集中し生産性をアップすることが出来ます。
最近ではリモートワークという働き方が増え、自分で休憩時間を調整しやすくなりました。取り入れやすいのではないでしょうか。
デスク周りをきれいにする
机の周りに物が散乱していたり、片付いていない状況だと集中力が落ちるといわれています。
また、拭き掃除をすると「セロトニン」が分泌されるため、心を落ち着かせる働きもあるのだそう。仕事を開始する前にまずはデスクの掃除を習慣にしましょう。
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定時で帰る!と気合を入れて、デスク周りの整頓や息抜きをしながら仕事をすることが大切。
定時で帰りやすい職種の特徴
今の職場ではいくら定時で帰るための工夫をしても帰ることが出来ない・・・そんな方はきちんと定時で帰れる職場へ転職する方が手取り早いでしょう。どんな仕事を選ぶと定時で帰れるのかまとめてみたので、参考にしてみてください。
1日の作業量が決まっている
工場の作業員の仕事は、ベルトコンベアで流れてくる製品を組み立てるライン作業や、トラックで運ばれたものを倉庫に入れたりする物流作業になります。そのため、毎日の作業量が決まっているため、時間になったら帰宅できることがほとんどです。
ルーティンワークが多い
工場作業員もこちらのルーティンワークに含まれます。ほかにも、BtoBのルート営業(法人に対する営業)は既存の顧客に対してサービスを提案する仕事のため、ルーティンワークの多い仕事といえます。主に電話やメールを使用し顧客の対応をしたり、営業資料の作成や商談のためにクライアント先に出向くことが多くなります。
緊急の業務が発生しにくい
企業の事務職や総務職、経理の仕事は緊急の業務が発生しづらい職種です。
一般事務は、書類の作成や電話応対、郵便物の発送などを行います。総務は名刺やコピー用紙などの会社の備品の発注や管理、社内行事の企画や運営などを行います。
そのほかにも、建物の空調管理や防災設備の管理、社員が働きやすくするための福利厚生業務も総務が担当することも。経理は経費の精算や預金の管理、給与計算、支払いなどを行うお金にまつわる仕事内容です。
上記の職種はすべて社内のことのため、緊急事態が発生しにくい業務になります。
決まった時間に業務が終了する
窓口や受付の仕事は、来客応対や案内業務が主な仕事内容になります。窓口や受付は受付時間が最初から決まっていて、時間になったら閉めるため、それ以上業務が発生しにくいと言えます。
夜間の業務が難しい仕事
工事現場や建築などの現場仕事は業務が終わらないとしても、暗いと作業が出来ないため残業して仕事をすることは不可能になります。
そのため、定時で帰れる仕事と言えるでしょう。ただし、工事現場は力仕事が多いため男性が多く、女性は体力に自信がないと厳しいかもしれません。
顧客からの影響を受けにくい仕事
対クライアントの仕事ではなく自社内の仕事の場合、納期というものがないので業務が終わらなくても、どうしてもその日中に終わらせなければならないということが起こりにくくなります。
閉店時間が定時と同じ
アパレルやコスメなどのデパート店舗での勤務の場合、お店の閉店時間と定時の時間が同じ場合には残業が発生しくいでしょう。ただし、販売員は早番と遅番に分かれたシフト制のため、早番の場合は多少残業が発生することもあり得ます。
定時に上がれる仕組み作りをしている
企業によっては残業をしないよう、一定の時間になったら電源が落ちるような仕組み作りをしているところもあります。ほかにも、水曜日は残業をしない日と設定していたり、プレミアムフライデー制度を設けている企業もあります。
企業自体が残業をしないように、きちんと制度として取り入れている企業を選ぶことで、定時で帰れる可能性が高くなります。
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定時で帰りやすい仕事を見分ける方法
年収や給与が明確かどうか
たまに求人で見かける「裁量労働制」という言葉。少し給料の設定が高いために一瞬魅力的に見えてしまうマジックがあるのですが、残業代が含まれた設定となっています。
終わらなければ50時間、60時間とどれだけ残業しても給料は固定のため、割りに合わない制度になっています。もともと残業することが前提で設定されているため、残業が多いことがわかります。
残業代込みの求人には注意
裁量労働制以外にも、「みなし残業時間40時間」という言葉が書かれていることもよくあります。こちらも、基本給に最初から40時間分の残業代が含まれているという意味ですので、確実に40時間は残業があると思っておいた方がよいです。
また、その内ほとんどの企業が40時間を超えての残業があることが多いため、注意しましょう。
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一般事務
一般事務は、自分が主体となって作業をするのではなく、社内の他の誰かのサポートをするのが主な仕事内容です。書類作成やデータ入力、電話・来客対応など決められた仕事が多く、時間内に終えられるものが多くイレギュラーな事態も起こりにくいです。
定時で上がれる可能性が高く、ワークライフバランスが保ちやすいと人気の職種ですね。
工場作業員
工場作業員は1日に製造する製品のノルマが決められていて、流れ作業で行う作業するため時間通りに業務が終了するため、定時で退社できると人気の仕事です。
主にルーティンワークなので、仕事を続けていれば必然的に作業効率も上がりますし、一人で黙々とする作業が多いので管理がしやすく、トラブルも起こりにくく残業も発生しにくいといった特徴があります。
ゴミ収集員
ゴミの収集員は、決められたゴミの収集時間に決められた場所に行き、ゴミを収集する仕事で完全なルーティンワークです。
稼働時間が明確に定められているためイレギュラーも発生しませんし、突発的にノルマが増えて残業をするといったこともありません。
このことから、ゴミ収集員は確実に定時で退社できる仕事と言えます。
ビル管理・メンテナンス
ビル管理・メンテナンスの仕事は、その施設の設備に何かしらの問題が発生しなければ残業となることはありません。
もちろん問題が発生した場合には残業をしてでも対応する必要はありますが、問題の発生を未然に防ぐのもビル管理・メンテナンス仕事です。
日頃から監視体制をしっかりしていれば、定時で退社できる仕事です。
受付
会社の受付業務時間を見るとわかる通り、受付には「受付時間」が決められていて、当然時間外に対応することは基本的にありません。
来客や電話の対応は対人の仕事であることから、多少臨機応変な対応を求められることもありますが、稼働時間が明確でトラブルは発生しにくいです。
施設のスケジュール管理を自分で采配するためイレギュラーな事態にも対応しやすく、受付は定時で退社しやすい仕事と言えるでしょう。
公務員
定時で退社できる仕事と聞いて、公務員を真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、公務員は配属される部署によって勤務環境が大きく異なります。
公務員で定時に帰れる配属先は、市役所です。証明書の発行や諸々の問い合わせなどへの対応時間が決まっていて、時間になれば業務終了となり、残業となることはありません。
同じ公務員であっても小中学校の教師職などは慢性的な残業が社会問題にもなっています。定時に上がれる仕事を求めて公務員を候補にする場合は公務員の中でも職種に注目しましょう。
大学教授
大学教授は決められた時間に講義を行う以外は、労働時間を自由に決めることができます。
自分の研究分野の論文を作成したり生徒と交流をしたりといった行為は学問の一環であり、大学教授のライフワークであるため、明確に勤務時間が定まっていないことから、残業がないと捉えることができるでしょう。
大学関連業務の会議など、雑務が増える場合には注意が必要です。
幼稚園の先生
幼稚園の先生は、保育園の保育士とは異なり、比較的定時退社がしやすい仕事です。
保育園は保護者が迎えに来るまで子供を預からなくてはならないなど、他人に勤務時間を左右されやすいですが、幼稚園は閉園時間が定められていることが多いためです。
幼稚園教諭免許は必要ですが、子供が好きな人がライフワークバランスを保ちながら働くのに良い環境でしょう。
開業医
開業医になれば、自分で開院時間を決めて労働時間を設定することができます。大きな病院に雇われている医師はイレギュラーな対応も多く残業することも多いですが、開業医は自分の采配次第なので圧倒的に自由です。
国家資格でライセンスの取得は高難度ですが、高収入でありながら残業が少ない仕事として大変魅力的ですね。
薬剤師
薬剤師は主に調剤薬局に勤めて、病院が発行した処方箋を元に調剤した薬を患者に渡す仕事です。
薬局も病院のように受付時間が決められているため、時間通りに業務を終えられるため定時で退社がしやすいです。
医師と違い急患の診察などもないため、高収入の医療従事者でありながらワークライフバランスを保ちやすい仕事です。
医療事務
病院の事務作業を担う医療事務も、病院の診察時間に準じて勤務時間が決まっているため比較的定時で退社しやすい仕事です。
病院の規模によっては健康保険の保険者に診療報酬を請求するレセプト作成業務が月初めに立て込むことも多く、手際良く処理しなければ、残業が発生してしまいがち。
残業を少なくするためには業務効率を意識する必要があるでしょう。
介護職
介護職は、介護施設を利用する人や、介護が必要な人の元に赴いて身体介護や生活援助を行います。
24時間対応しなければいけない性質からシフト制を採用していることが多く、時間になれば他のスタッフに引き継いで交代することになるため、定時で帰宅しやすい仕事と言えるでしょう。
これまで介護職のサービス残業が問題視されていましたが最近は改善されつつあり、ホワイトな労働環境が増えています。
販売員
サービス業の中でも、販売員はお店の営業時間が勤務時間となるため、定時で上がりやすい仕事です。
勤務形態にシフト制を取り入れることが多く、時間になれば他のスタッフと交代するため残業が発生しにくいといった特徴があります。
お客様の対応が長引いたり、繁忙期は定時で退社できないといったイレギュラーが発生することもありますが、希望日に休日を取ることができたりと自由度は高く、ワークライフバランスは保ちやすいでしょう。
建設業
建設業は、決められた工期通りに建物を建築できるように、綿密にスケジュールを定めてから作業を行うため、工期に遅れが生じない限り残業が発生しにくい仕事です。
設計や予算組みなどは建物内でも行えますが、建設作業となると夜間に行うのが難しいこともあり、物理的に作業時間が限られることも、定時で退社しやすいポイントでしょう。
廃棄物処理作業
廃棄物を処理する作業もルーティンワークであり、決められた日に、決められたものを、決められた手順で処理をするので残業が発生しません。
以前は廃棄物処理は汚れ仕事というイメージを持つ方も多かったと思いますが、現在では設備や技術も進歩し、衛生的な労働環境で働くことができます。
廃棄物処理作業は定時で退社したい人にぴったりの仕事でしょう。
定時退社はメリットだらけ!
資格取得に向けて勉強をしたり、定時で退社ができることのメリットは、非常に多くあります。
例えば、1日2時間の残業を週に5日毎日行っていた場合、ひと月で40時間のプライベートの時間が失われることになります。
定時退社をすることで、その40時間もの時間を自分の好きなことに使えるようになるのです。
それだけの時間があれば、行ってみたかったお店に足を運んで素敵なサービスを受けたり、友達と食事を楽しんだり、考えただけでもプライベートが充実して毎日ハッピーになりそうですよね。
読みたかった本を読んだり、自分自身のスキルアップのための時間に使うこともできます。そうすれば自然と仕事の能力も向上して、昇給できたり、さらに条件の良い会社に転職することも夢ではありません。
ワークライフバランスが整えば、睡眠時間をしっかり取ったり、運動をする時間も設けられるなど、健康や美容にもいいこと尽くしです。メンタルの調子が整えば仕事に対するモチベーションアップも期待できますね。
このように、定時で退社するメリットは計り知れず、残業をせず定時で退社をする方が、結果的に会社のためになるとも考えられますね。
まとめ
今の職場にほかに不満がないのであれば、まずは、残業をなくすための努力を自分でしてみるのがよいでしょう。無理に転職する必要はありません。
しかし、企業側の都合で毎日残業させられ定時で帰ることが出来ないという場合には、いくら自分が努力しても願いが叶うことは難しいかもしれません。いっそ定時で帰れる仕事へ転職してしまうことをおすすめします。
残業がなく定時で帰れることにより、日々の仕事へのモチベーションも上がり、ライフワークバランスも取れ睡眠もしっかり取ることが出来ます。しかし、いざ転職となると一人では不安なことも多いはず。
そんな時は頼りになるプロのキャリアカウンセラーに相談するのが安心です。キャリチェンでは、転職で叶えたい軸をしっかり相談出来、一人一人に合ったお仕事を紹介することが出来るので、まずは気軽にご相談くださいね。