会社に就職したけれど、試用期間中にやっぱり合わなくて退職したいと思ったことはありませんか?
試用期間中に退職すると給与はどうなるのか、すぐに辞めることができるのかなど、気になっている方も多いはず。
今回は、そんな悩みや退職することによるデメリットなども紹介していきます。
目次
試用期間とは?
そもそも、試用期間とは一体何でしょうか?
また、正社員とはどのように異なるのでしょうか。
試用期間とは、簡単に言うと、本採用をする前に行われるいわゆる事前の「お試し期間」ということです。
会社側も数回面接しただけでは、人材の能力やスキルを見極めることは困難です。
そのため、正社員として長期雇用を前提の上で、本採用をするかどうか見極めるための期間として設定されているのです。
しかし、導入するかどうかは会社次第のため、試用期間のない会社も存在します。
この試用期間の間は、会社は従業員の適性を判断し会社に合わないしていない場合には、本採用を拒否する権利が与えられています。
ただし、企業側は試用期間だからと、簡単に解雇できるわけではありません。
経歴詐称や勤務態度が悪い、出勤しないなどのような解雇の正当な理由がある場合のみ、解雇することができます。
反対に、従業員側も思っていたのと違ったと感じたり会社が合わないなと思ったら、労働契約を終了することが可能です。
しかし試用期間中でも、退職予定日の2週間前には退職の意を伝えなければならないと労働基準法で定められています。
試用期間中の待遇は正社員とどう違う?
この試用期間の間は、会社は従業員の適性を判断し、会社に合わないと判断した場合には、本採用を拒否する権利が与えられています。
ただし、企業側は試用期間だからと簡単に解雇できるわけではありません。
経歴詐称や勤務態度が悪い、出勤しないなどのような解雇の正当な理由がある場合のみ、解雇することができます。
反対に、従業員側も思っていたのと違ったと感じたり会社が合わないなと思ったら、労働契約を終了することが可能です。
しかし試用期間中でも、退職予定日の2週間前には退職の意を伝えなければならないと労働基準法で定められています。
期間の長さは1〜6ヶ月が一般的
試用期間の長さは会社によって異なります。
基本的には1〜6ヶ月がほとんどですが、最長だと1年間という会社もあります。
また、試用期間の延長を会社から求められることもまれに起こります。
しかし、会社側も延長は簡単に行うことはできません。
延長の可能性を入社時に同意していたり、就業規則に明記されていたりするなど、明確な理由がある場合にしか延長は不可能です。
試用期間については就業規則や労働契約書に明記が必要な事項になるため、入社する際にしっかりと確認しておくのが良いでしょう。
試用期間中に解雇されることはない
試用期間とは言っても、基本的には解雇や退職については正社員と同等の扱いになります。
そのため、試用期間終了後はよほどのことがない限り、そのまま正社員として就業可能です。
それでは試用期間中にクビになる人とはどんな人なのでしょうか?
それは、欠勤や遅刻ばかりで勤怠に問題があったり、経歴詐称をして入社したりといった大きな問題がある場合です。
能力が思っていたよりもなかったといった、スキル不足程度の問題では会社はクビにすることはできません。
また、万が一試用期間中の従業員を解雇する場合は、30日前までに解雇予告をするか、解雇予告短縮のための手当を支払わなければいけない決まりがあります。
試用期間とはいわゆるお試し期間のこと。ただし解雇や退職については正社員時と同様で、大きな問題がない限り、簡単にクビになることはありません。
試用期間中に辞めると転職に影響する?そのデメリットとは
まだ試用期間中だからといって、気軽に辞めてしまうとやはりデメリットも・・・。以下ではどんなデメリットがあるのか紹介します。
再就職に不利になることがある
試用期間中に退職するということは、数ヶ月〜半年程度で辞めてしまうことになります。
たとえそれが試用期間中であっても、自分が雇用契約を結んだ会社であることは変わらないからです。
そうなると、転職活動の際に「前職はどうして短い期間で辞めてしまったのですか?」と質問されるでしょう。
採用担当者からはまたすぐに辞めてしまうのではないかと懸念されてしまうため、再就職が不利になってしまう可能性が高くあります。
職歴が汚れる
短期間で辞めてしまったことが一度のみであれば、あまり気にする必要はないでしょう。
しかし、半年以内の短い職歴がいくつも履歴書に書かれているとなると職歴が汚れてしまいます。書類審査の時点で通過しにくくなってしまう点も注意が必要です。
さらに就職してすぐに辞めてしまうと、周りからの印象も悪くなってしまいます。
仕事が長続きしないと「忍耐力がない」「飽きっぽい人」というイメージがついてしまうことも。
試用期間中に退職を考えている方は、このようなデメリットがあることを押さえておきましょう。
同じミスマッチを繰り返すかもしれない
試用期間中にミスマッチを感じ退職する場合、それが外的要因であれば繰り返すことはないですが、もし自分の考え方に要因があるときには、それを矯正しないと、また試用期間で退職したくなってしまう過ちを繰り返す可能性があります。
会社の見方や業界研究の仕方は、改善した方がいいでしょう。例えば、「会社の仕事のイメージが違った」という場合でも、求人広告を読み解くスキルが自分に足りなかったことも考えられます。
その中で、自分がどのように会社を見つけたら改善できるのか考えてみましょう。
試用期間中の短期間のうちに辞めてしまうと、周りからの評価が悪くなったり書類審査が通過しにくなったりと、再就職で不利な状況になる可能性も。
試用期間中に退職した場合の給与や福利厚生、社会保険料はどうなる?
試用期間中に退職した場合であっても、出勤した日数分の給与は支払われます。
これには、研修で出勤した日や休日出勤、残業代も含まれます。
「試用期間中に辞めたのだから給与は支払えない」と言われた場合は違法になるので、堂々と意義を申し出ましょう。
また、試用期間とはいえども雇用契約は締結されているため、社会保険は加入が義務付けられています。しかし、以下に該当する場合は加入不可のため注意しましょう。
・所在地が一定しない事業所に使用される人
・ 臨時に日々雇用される人で、1ヶ月を超えない人
・ 臨時に2ヶ月以内の期間を定めて使用され、その期間を超えない人
・ 臨時的事業の事業所に6ヶ月を超えない期間で使用される予定の人
・ 季節的業務に4ヶ月を超えない期間使用される予定の人
・後期高齢者医療の被保険者等
・短時間労働者(1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3未満)の人
試用期間に退職したい場合の手続き
試用期間中に退職したいと思った場合、どんな手順で進めれば良いのでしょうか。ここでは、伝えるタイミングや進め方を紹介します。
退職を伝えるのは2週間前まで
会社が合わず退職したいと思っても、試用期間だからといって即日退職することはできません。
社内での退職について就業規則がない場合には、民法で定められている通り、最低でも原則2週間前に申し出る必要があります。
ただし、社内で就業規則があり1ヶ月前の申し出が必要な場合には、これに従いましょう。
法的には2週間前なら退職することはできますが、会社のルールに添わないと円満退職ができなくなります。
退職意思は上司に伝える
退職希望の旨を伝える際には、直属の上司に口頭で伝えます。電話やメールなどではなく、口頭で直接伝えるのがポイントです。
ただ、上司に退職を申し出る前には、就業規則を必ず確認しましょう。
口頭での伝え方は、「今後のことでお話があります。お時間をいただけないでしょうか。」と切り込み、そのあとに退職の意思を伝えるのがいいでしょう。
できれば繁忙期以外に退職届を出すのがおすすめです。
新卒の場合は、試用期間中は人事課に所属している場合も多いため、新卒担当者に確認するのが良いでしょう。
直属の上司や人事から合意が得られたのち、責任者に退職届を提出するのが通常の流れになります。
やむを得ない場合のみ即日退職も可能
基本的には、退職したい場合は2週間前の申し出が絶対となります。
しかし、民法で定められている通り、やむを得ない場合のみ特例として即日の退職が可能となります。
法律上では具体的に記載はないのですが、「体調不良やケガにより就労不能な状態になる」や「会社で違法行為を強要される」といった場合に特例として認められているようです。
退職したい場合は、就業規則を確認し会社のルールに沿ったタイミングで直属の上司や人事に申し出をしましょう。その後に責任者に退職届を出すのが基本的な流れです。
試用期間中に退職したい!退職理由の具体例
最後に、試用期間中に従業員が退職したいと思う、よくある退職理由を紹介します。
求めていた仕事内容と違った
求人の情報をしっかりと読み込んだり、入社前の面接で様々な質問をして仕事のイメージを掴んで入社します。
しかし、いざ入社してみると自分の思い描いていたイメージとは少し違っていたということはよくあることです。
このケースは、自分の求めている仕事をやらせてもらえるように自ら働きかけることも大事です。
また、「最初は小さな仕事から任せたい」と考えている会社もあるため、長く勤めることで希望の仕事内容につけることもあります。そのため、このケースはすぐに見切りをつけるかどうかは難しいところです。
「事務作業だと聞いていたのに、営業職だった」「求人票に記載されていなかった業務がある」など、求めていた仕事内容と違った場合は上司に申し立てをしましょう。
前からやってみたかった仕事についたのはいいものの、実際に入社してみたら仕事の内容が全く違った場合はアピールすることができる内容です。
社風が合わなかった
社風は面接では掴みにくいため、実際に入ってみないとわからない場合が多くあります。
そのため、入社してから自分には合わないと気付き退職を考える方が多いでしょう。
慣れない職場で最初は緊張したり、みんなと打ち解けられなかったりして居心地が悪い場合もあります。
時間が立てば居心地が良くなる可能性もありますが、あまりに雰囲気が合わないと感じる場合は、早めに退職しても良いかもしれません。
「一人でコツコツと仕事を進める社風だと思っていたら、チームワークが重視される社風だった」「静かな職場だと思っていたら、体育会系の社風で想像とは違った」など、入社後に社風が合わないことに気付くかもしれません。
そのような場合は、すぐに転職してもいい場合もありますが、状況を見極める必要があります。
社風が合わないと感じた途端に転職してしまうと、次の転職先でも同じ悩みで転職を考えることになるかもしれません。
社風が合わないと感じたら、まずなぜ社風が合わないと感じているのか、時間が経てば解決する問題ではないのか、を考えてみましょう。
体調不良で働けなくなった
入社する前は問題なかったのに、タイミング悪く体を壊してしまい体調不良が原因で働けなくなってしまうことも起こります。
その場合は、即日で退職できる可能性が高いため、正直に上司に打ち明けましょう。
入社後は環境や人間関係の変化により、違和感やストレスを感じやすくなっています。
入社前は問題なかったのに、体調不良で働けなくなってしまった場合には、病院で医師の診察を受け、診断書を発行してもらいましょう。
\体調不良で動けなくなる前にストレスチェックをする/
自分のイメージしていた仕事内容と違っていたことや、会社の社風が合わない、体調不良で働けなくなったといった3つの理由が主な退職理由としてあげられる。
家業や友人の事業を手伝うことになった
家業や友人の事業を手伝うことになったという理由も、退職の理由として使えます。
嘘で退職が円満になるのであれば、ある程度の嘘をつくのは有効な手段だと言えます。ただし、嘘の申告はトラブルの元なので、事実を踏まえた上で、理由の伝え方を工夫することが大切です。
事業に関することに限らず、家庭や家族の事情を理由にするのもひとつの手です。家庭の事情で退職する人が多いのは事実であり、待遇や職場環境への不満が退職の理由とはならないため、悪い印象を与えずに退職できることが多いです。
「家族の介護が必要になった」「パートナーが病気になった」などの理由も有効です。
まとめ
試用期間は正社員として長期雇用前提でのお試し期間ですが、その長さは会社によって異なる現状です。
試用期間についての取り決めは就業規則に記載されています。
いざ退職したいといった時のためにも、入社前にきちんと把握しておくと良いでしょう。
また、試用期間中の退職は可能ですが、デメリットがあるのも事実。
ダメだったら辞めればいいやと安易に入社せず、再転職を繰り返さないためにも転職活動は慎重に行うようにしましょう。
キャリチェンでなら、経験豊富なカウンセラーが丁寧にカウンセリングを行い、入社までサポートします。
そのため、思っていた会社と違ったというミスマッチを防ぎやすくなります。
転職にお悩みの方はぜひ気軽にご相談くださいね。
よくある質問
Q1:試用期間中の退職も履歴書に書く必要はありますか?
書く必要があります。書かずにバレてしまった場合に、不利益になることが多いからです。ただし、「試用期間中に退職」のように書く必要はありません。ただし、退職の理由は「一身上の都合」とすればいいでしょう。
Q2:試用期間が何日経てば、退職しても問題ありませんか?
試用期間中でも退職することは可能です。退職を希望する場合は、退職希望日の2週間前までに退職の意思表示をすれば、試用期間中でも退職は可能です。
Q3:試用期間中の退職はどう伝えるのがトラブルが少ないですか?
可能な範囲で正直に伝えましょう。まずは上司に口頭で正直な理由を伝えるのがいいでしょう。退職届には「一身上の都合により」と書けば問題ありません。
Q4:試用期間中の退職理由の伝え方・注意点をおしえてください
嘘をついて後々嘘がバレてしまうと、不利益な状況に陥る可能性があります。退職理由を伝える際は、できるだけ正直に伝えるようにしましょう。
また、上司に伝える際は、上司の時間がある時でないと話を聞いてもらえないかもしれません。上司に時間がある時を見計らって伝えましょう。