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履歴書・職務経歴書には退職と退社どちらを書くべき?履歴書の職務欄の正しい書き方を紹介

会社を辞めたことを書く際に、「退社」と「退職」とどちらが正しいのだろうかと、悩んだことがあるのではないでしょうか。

履歴書は表現一つ一つにとても気を使うため、困っている方も多いかもしれません。今回は、履歴書の職歴欄の正しい書き方を紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

履歴書には退社と退職、どちらを書くべき?

会社を辞めたことを履歴書に書く際は、「退職」と書くのが一般的です。すでに退社と書いてしまった方もいるかもしれません。決して「退社」も間違いというわけではありません。

以下で、「退社」と「退職」の違いについて、それぞれチェックしてみましょう。

退社の意味

「退社」という言葉は、「現在勤めている会社を辞めること」と「本日の仕事を終えて退勤すること」の2つの意味を持っています。

そのため、仕事を辞めたことを表わす「退社」は間違いではなりません。しかし、「退社」には意味が2つあるために、どちらの意味なのかわかりづらくなってしまいます。

退職の意味

次に、「退職」は「現在の会社から離れる」という一つの意味だけを持っています。

そのため、履歴書への書き方としては、より正確に「会社を辞めたこと」を表わすことのできる「退職」を使うことが一般的となっているのです。

履歴書へ書く際は「退職」と記載した方がわかりやすいとされ、こちらを使う人が多くなっているのです。

職歴欄の職務経歴の書き方

ここからは、履歴書の職歴欄の書き方について詳しく紹介します。正社員や契約社員・まだ在籍中の場合など、それぞれのシーンごとにサンプルを用いて紹介するので、ぜひ書く時の参考にしてくださいね。

正社員の場合

正社員の場合、退職理由は「一身上の都合」か「会社都合」と記載しましょう。また、入社と退社の間には、会社で主に行ってきた業務を記載します。

職歴はどこまで書いたら良いか悩んでしまいますが、基本的には職務経歴書に書くため、ここでは簡潔に書きましょう。

●20○○年○○月 株式会社○○入社

人材業 従業員数1000人
キャリアコンサルタントとして、登録者のヒアリングを行う

●20○○年○○月 一身上の都合により退職

契約社員の場合

契約社員の場合の退職理由は「契約満了」と記載しましょう。

契約社員の場合、契約延長の話を自ら断って辞めた場合はどうなるのか気になる方もいるでしょう。

自ら契約延長を断ったとしても、元々会社から定められていた契約満了日をもって退職した場合は「契約満了」となります。

しかし、契約期間よりも前に自らの希望で退職した場合には、「一身上の都合」となるので注意しましょう。

●20○○年○○月 株式会社○○入社

小売業 従業員数500人
アパレル販売員として店舗の在庫管理やディスプレイ・販売を行う

●20○○年○○月 契約満了により退職

在職中の場合

退社予定だけど、まだ在籍中に転職活動をされている方も多いのではないでしょうか。その場合、退社日がすでに決定している時には、「職歴欄」か「本人希望欄」のどちらかに記載します

職歴欄に記載する場合は、「在職中20○○年○○月○○日 退職予定)」か「現在に至る(20○○年○○月○○日 退職予定)」と書くのが良いでしょう。

中途採用では、特に欠員補充や新しいプロジェクトのための補充として採用することが多く、採用担当者はいつから勤務可能なのかを知りたいと思っています。

採用側からすると、すぐに入社してくれる人やいつから働くかハッキリしてくれる人を望んでいるため、空白で出してしまうと合否にマイナスな影響を与えがちです。そのため、いつから入社できるのかを明確に伝えた方が印象が良いでしょう。

●職歴欄への書き方

20○○年○○月 株式会社○○入社       
Webメディア事業 従業員数1000人
自社Webメディアの編集業務を行う
現在に至る(20○○年○○月○○日 退職予定)

●本人希望欄への書き方
20○○年○○月○○日 退職予定。○○月○○日から勤務可能です。

また、ブランクがある場合や何か突っ込まれそうな場合には、一緒に退職理由も書いておきましょう。

本来、履歴書の職歴欄は「キャリアの概略」を書くためのものであり、スペースの問題からも退職理由は必要ありません。

しかし、退職理由を書かないとマイナスになるような場合には、書いた方が良いでしょう。

退職理由を書く場合

退職理由を履歴書の職歴欄に書いた方がいいケースは、「長期間のブランクがある場合」「職歴に一貫性がない場合」「転職回数が多い場合」の3つです。順番に、退職理由を書いた方がいい理由やその場合の書き方を紹介するのでチェックしてみましょう。

長期間のブランクがある場合

前職を退職してから半年以上のブランクがある場合には、理由を書いた方が良いでしょう。通常であれば、退職後から転職活動をしたとしても3ヶ月程度で決まると思われるため、半年以上ブランクがあると「この半年間何をしていたのか…」と疑問をいただいてしまいます。

また、半年や1年などの長期間社会から離れていたとなると、「社会復帰してまた働くことができるのだろうか」と懸念されてしまう可能性もあります。そう思われないために、しっかり理由を添えましょう。

<退職理由の書き方>

●退職後にフリーランスとして活動していた場合

20○○年○○月 株式会社○○入社

Webメディア事業 従業員数500人

→自社Webメディアの編集業務を行う

20○○年○○月

一身上の都合により退職。以後、フリーランスとして活動

●病気の療養をしていた場合

20○○年○○月 株式会社○○入社

  Webメディア事業 従業員数500人

→自社Webメディアの編集業務を行う

20○○年○○月 病気治療のため退職(○○月○○日現在、完治)

病気の療養をしていた場合には、完治したことを必ず記載しましょう。

●資格の勉強をしていた場合

20○○年○○月 株式会社○○入社

Webメディア事業 従業員数500人

自社Webメディアの編集業務を行う

20○○年○○月 資格取得のため退職

資格取得についての詳しい内容はここでは書かず、資格欄や自己アピール欄利用して伝えましょう。

職歴に一貫性がない場合

転職が多く、様々な業種や職種を転々としていると一貫性がないと思われてしまいます。その場合にも、退職理由を付け加えておいた方が採用担当者の懸念点を払拭できるでしょう。

<退職理由の書き方>

20○○年○○月 

株式会社○○入社 小売業 従業員数500人

アパレル販売員として店舗の在庫管理やディスプレイ・販売を行う20○○年○○月 ECサイトの販売へ転身のため退職

・転職回数が多い場合

転職回数が多いと、採用担当者に「またすぐに辞めてしまうのでは…」と懸念されてしまいます。この場合は、採用担当者が納得してくれそうな理由を書くのがおすすめです。

<退職理由の書き方>

例:20○○年○○月 留学のため退職例:20○○年○○月 出産のため退職例:20○○年○○月 親の介護のため退職例:20○○年○○月 夫の転勤のため退職例:20○○年○○月 キャリアアップのため退職

上記のように、仕事が嫌で辞めたのではないことがわかるような、自分ではどうしようもない理由や前向きな理由を書くようにしましょう。

「一身上の都合による退職」に該当する場合の職歴欄の書き方

現職、もしくは前職が正社員、アルバイトなどの場合で、会社都合の退職でない場合、いかなる退職の事情であっても「一身上の都合により退職」と記載しましょう。

つまり「自己都合」の退職をする人は、「一身上の都合」という書き方となります。

20〇〇年〇月 一身上の都合により退職理由

というように明記しましょう。職歴欄には、基本的に、これ以上の細かい退職理由の明記は必要ありません。

「自己都合」による退職は「一身上の都合による退職」と必ず正しく明記しよう

自己都合退職というのは、会社から解雇辞令を下され退職する、もしくは、契約期間満了で退職する以外で、自ら「退職願(届)」を提出して辞めた場合全てに当てはまります。

間違えやすい事例として、会社の経営が傾き、在職中の会社が倒産する可能性を考えて、解雇辞令が下される前に自ら、「退職願」を提出して退職したケースです。

会社からの解雇辞令が下されていない退職なのであれば、いくら会社が破産状態であったからといっても、「自己都合」の退職という認識になります。

従ってこのようなケースは、履歴書の職歴欄には、自己都合の退職として「一身上の都合」と明記するのが適切です。

この他に、労働上の激務や事故で受けた健康被害による退職の場合や、会社から受けたハラスメント被害による退職であっても、解雇辞令が出ていないのであれば、自己都合での退職となります。

以上のように、自己都合退職をした人は、その認識に誤解を生まないように「一身上の都合により退職」と履歴書の職歴欄には明記するようにしましょう。

「契約期間満了により退職」に該当する場合の職歴欄の書き方

雇用主との間の契約で、雇用期間に期間が設けられている場合、その満了を迎えての退職は「契約期間満了につき退職」というように職歴欄には明記します。

20〇〇年 〇月 契約期間満了につき退職

というような書き方になります。

ここで注意しないといけないのは、契約期間中になんらかの理由により、契約期間満了前に退職した場合にも、誤って「契約期間満了につき退職」と記入してしまうことです。

自己都合退職のケースと同じように、契約期間満了前の退職は、解雇辞令が雇用主から下されていない場合、自己都合の退職になります。

必ず、契約期間満了前の退職に関しては、「一身上の都合により退職」と明記するようにしましょう。

「会社の都合により退職」に該当する場合の職歴欄の書き方

会社より「解雇辞令」が下され退職に至った場合は、「会社都合により退職」と明記します。

20〇〇年 〇月 会社都合により退職

と職歴欄に明記します。

自己都合の退職と会社都合の退職を混同して、間違えて記入しやすいので注意しましょう。あくまでも解雇辞令を下された場合の退職のみ「会社都合による退職」に該当します。

退職理由を偽るのは経歴詐称になる可能性がある

「一身上の都合」「契約満了」「会社都合」の3つの退職理由の場合の職歴所の書き方について説明しましたが、これらの退職理由を事実と違えることなく、履歴書や職務経歴書には記入する必要があります。

もし、事実と誤った経歴を記述した場合、経歴詐称に該当する恐れがあります。

経歴詐称したことが入社後に判明した場合は、解雇要件を満たしていれば解雇処分になる可能性もあります。

意図しない誤りであったとしても、悪意ある詐称であったとしても、会社との関係性に大きな影響をもたらし、その後のキャリア形成や待遇に問題が出てきますので、必ず事実に即した職務経歴を記述するようにしましょう。

職歴欄に退職理由を具体的に書いた方が良いケース

履歴書の職歴欄に退職理由を具体的に書く必要があるのは、採用担当者が履歴書を見たときに、記述からは読み取れない重要な情報がある場合です。

1・正社員などの雇用契約からフリーランスへ転向した場合。

2・事業主へ転向した場合や、事業主から会社員などへ転向した場合。

3・長い療養期間やボランティアといった、職務経歴以外の特出した理由がある場合。

以上のような、会社員や契約社員といった働き方や一般的なライフキャリアに当てはまらない特殊な経歴や事情を持っている場合には、採用担当者の重要な検討材料になるため、その経歴を退職理由として職歴欄に一緒に記載するか、職務経歴として記述するようにしましょう。

職歴欄はあくまでも職務経歴を簡潔に伝えるための欄です。注意しないといけないのは、必要以上の情報を言い訳がましく職歴欄に記入してしまわないようにすることです。

退職の事情をあらかじめ採用担当者へポジティブに伝えたい場合には、職歴欄以外の項目欄に理由を記入することで、採用担当者の要らぬ誤解や心配を防ぐことができます。

面接時に退職理由を伝える際のポイントと注意点

退職理由を面接官に聞かれた際は、なるべくポジティブに相手に伝わるように応えましょう。仮に退職理由が、「給与や待遇の不満」であったとしても、「自身のスキルアップのため」と伝えるようにするなど、前向きな退職であったというのが伝わるような回答にしましょう。

また、病気や家庭の事情などの退職の場合は、転職後には、それらの退職理由についての問題が勤務上問題ないことを明確に伝えていきましょう。

面接は、基本的に履歴書や職務経歴書に基づいて、採用担当者が求職者へ質問していきます。そのため、履歴書の記載内容と面接時に応える内容とが整合性がとれている必要があります。面接前に自分の履歴書や職務経歴書を見直すようにしておきましょう。

学歴・職歴欄の文末に書く「現在に至る」と「以上」の使い方と書き方

「現在に至る」の使い方と書き方

最新の職歴の真下に「現在に至る」と記載することは、現在も在職中である、ということを意味しています。従って既に退職している場合は、「現在に至る」と書く必要はありません。

「現在に至る」は職歴として記入しますので、上部に記入している職歴と同じように、職歴欄の左に寄せて、最新職歴の真下に記入します。

「以上」の使い方と書き方

職歴欄の文末に記載する「以上」は「現在に至る」の意味とは異なります。「以上」は、職歴欄の記述内容は以上です、という意味を指しています。従って、どんな職歴内容であっても職歴欄の最後には「以上」を記入するようにしましょう。

書き方としては、職歴欄に右寄せで記入しましょう。在職中の場合は、「現在に至る」と記入している下の行へ記入し、既に退職済みの場合は、最新職歴の記入されている行の真下へ右寄せで記入します。

万が一、行が足りない場合は、「現在に至る」と「以上」が同じ行に収まっていても問題ありません。

また、職歴欄の行が足りず記入するスペースがない場合や、誤って文言の記入を忘れてしまった場合も、選考に大きな影響はありません。

ただ、しっかり記入しておくことで、要らぬ誤解の発生を防ぐことができますので、できるだけ記入しておきましょう。


まとめ

履歴書の職歴欄をどのように書くかはとても大切です。まずは、「退社」ではなく「退職」と書くように気をつけましょう。

そして、退職理由は通常であれば書く必要はありません。「一身上の都合」や「契約満了のため」で済ますことができます。

ただし、ブランクがある場合や転職回数が多い方などは、マイナスに捉えられないようにあえて退職理由を書くのが手です。

転職活動を成功させるには、いかに「前向きな理由で転職をしたのか」を採用担当者に伝えられるかどうか、かもしれません。ぜひ、今回紹介した書き方を参考にしてみてくださいね。