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新型コロナの感染拡大で注目される助成金・支援制度(雇用調整助成金など)とは?

世界的に感染拡大が広がる新型コロナウイルスが毎日のようにメディアで報道されています。世界の中では比較的感染の拡大が緩やかであった日本でしたが、ここにきて東京でも毎日のように新たな感染者が続々と発見されているのが現状です。

そうした状況の中で雇用の維持ができなくなってきてしまう中小企業や、収入が減少する労働者が今後増えてくることが予想されます。そこで、各省庁が緊急対策としていろいろな助成金制度を打ち出し始めているのです。しかし、会社側が手続きしてくれなければ、労働者側は助成金を受けられないものもあります。

新型コロナウイルスでやむを得ず休業し、収入が減ってしまった場合、どんな手続きが必要なのか、そもそも対象はどうなっているのかを整理してみましょう。

目次

厚生労働省

雇用調整助成金

雇用調整助成金はコロナウイルスにより売り上げが減少しているにもかかわらず、従業員を解雇せず、一時的に休業させたり、これを機会に教育を行ったり、出向などによって何とか雇用を維持させようとしている企業に向けて国が支援する制度となっています。

もともとは中国人観光客の減少によって用いられていた助成金でしたが、特例措置として2月28日から新型コロナウイルスによる措置としても実施の枠が拡大されました。

助成金受給の条件は特例措置でどう変わったのか?

1.届け出が事後提出でも可能になりました

助成に必要な届け出は事前に計画届の提出が必須となっていましたが、令和2年1月24日から5月31日の間に提出すれば事前提出したものとみなされることになりました。

2、生産要件の確認対象期間が3か月から1か月に短縮されました

今までは昨年同期比と比較して3か月の平均が10%減であれば対象になっていましたが、確認期間が3か月から1か月だけでよくなりました。

3、事業所を設置して一年未満の事業者でも対象となります。

このように今回は受給要件が新型コロナウイルス対策によって緩和されるようになりました。

受給できる金額は?

・中小企業は休業補償額の3分の2(大企業は3分の1)→上限は1人1日あたり8,330円
・教育訓練を実施した場合、1人1日1,200円加算されます
・支給限度日数は、1年間で100日となります
・緊急事態宣言を発出し活動の自粛を要請している地域については、
休業補償額の4分の5(大企業は2分の3)となります。

厚生労働省HPより

「休業」の意味合い

雇用調整助成金の「休業」とはどういうものを意味しているのでしょうか?これは、通常の営業日に従業員を休ませた場合のことを言います。単に事業所を休みにした場合はこれにあたりませんので、ご注意ください。

新型コロナウイルスに伴う雇用調整助成金の特別措置に関するよくある質問はこちら→

学校などの休校にともなう保護者の休暇取得支援

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために2月27日安倍総理が「全国すべての小中学校、高校、特別支援学校において3月2日から春休みにかけて臨時休校」を要請しました。子供たちの安全のためとはいえ、かなり突然の要請だったことから現場や家庭からはかなりの批判がありました。

この要請によって学校に行かなくなった子供の面倒をみなくてはいけない保護者が多数現れました。これに対して厚生労働省は有給で休んでもらうように働きかけている企業に対して助成をする仕組みをあたらに導入しました。

この助成金は正規雇用・非正規雇用を問わず、年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金となります。

特例措置の内容(一部抜粋)

<全従業員が対象>
保護者に有給休暇を取得させた事業主に対し、原則として、休暇中に支払った賃金全額を支給します。その際、正規雇用だけでなく、パートなど非正規雇用の従業員も対象で、臨時休校した小学校や特別支援学校(高校まで)、幼稚園、保育所、認定こども園などに通う子どもを世話する保護者が該当になります。また、子どもが風邪症状などウイルスに感染した恐れがある場合も対象となります。
<支給金額は1人当たり日額8,330円が上限>
事業主が年次有給休暇とは別に、賃金を全額支給する有給休暇を取得させた場合、休暇中に支払った賃金全額を支給しますが、支給額は1人当たり日額8,330円を上限とし、大企業、中小企業とも同様です。
<適応期間>
2月27日~3月31日の間に取得した休暇

厚生労働省HPより

東京都

テレワーク助成金

公益社団法人東京しごと財団から、新型コロナウイルス対策としてリモートワークを進めている中小企業に対して、その導入を支援する助成金を開始いたしました。リモートワーク、テレワークに必要なハードやソフトの購入資金を最大250万円まで助成します。

受給要件としては都内に本社もしくは事業所がり、従業員が2名から999名までということで、比較的申請のハードルは低いと言えます。

首相官邸

新型コロナウイルスに関する緊急対応策

(1)感染拡大防止策と医療提供体制の整備
・感染拡大防止策(クラスター(集団)対策
・需給両面からの総合的なマスク対策
・PCR検査体制の強化
・医療提供体制の整備と治療薬等の開発加速 等
(2)学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応
・保護者の休暇取得支援等
・個人向け緊急小口資金等の特例
・放課後児童クラブ等の体制強化 等
(3)事業活動の縮小や雇用への対応
・雇用調整助成金の特例措置の拡大
・強力な資金繰り対策
・サプライチェーン毀損への対応
・観光業への対応 等
(4)事態の変化に即応した緊急措置等
・新たな法整備
・行政手続、公共調達等に係る臨時措置等
・地方公共団体における取組への財政支援 等

首相官邸HPより

このように新型コロナウイルス対策の制度や助成金がでてきています。あくまでもこれらの制度は、国が企業側に向けて出した制度です。企業側がこれらの制度に対する手続きをしてくれなければ、労働者側は制度や助成金を利用することはできません。制度や助成金を利用するには、企業の協力が不可欠なのです。

このような事態に臨機応変な対応をしてくれる企業は優良企業だと言えます。現職の企業が、もし助成金の手続きに取り合ってくれないようなら、転職を考えてもいいかもしれませんね。

企業がそうした制度を利用することで、皆さんの雇用が守られることを願っています。