大卒でフリーターとして働くことはやばいと言われます。「大卒だから就職しようと思えばいつでもできるだろう」と考えていては、なかなかフリーターから抜け出すことはできません。
本記事では、大卒のフリーターの将来とフリーターがやばい理由、さらにフリーターから正社員を目指す方法について紹介します。
目次
大卒フリーターの末路とは?将来が心配
「将来やりたい仕事がある」「目標のためにフリーターをやっている」という場合は、フリーターを選ぶのも一つの手かもしれません。しかし「楽だから」「正社員もフリーターもそんなに給料変わらないから」という理由でフリーターを続けていると、将来苦労することになるでしょう。ここからは、大卒フリーターの考えられる末路を紹介します。
生涯年収が低い
フリーターは将来が心配だと言われます。20代前半のうちは、フリーターと正社員の給料に大きな差はないことがほとんど。
フリーターは正社員に比べて自由度が高く、責任感のある仕事を任せられることも少ないため、若いうちは正社員として働くよりも、フリーターとして働いていた方がいいと感じるかもしれません。
しかしフリーターは生涯年収が正社員と比較すると約1億円の格差があると言われています。これは昇給やボーナス、退職金などの月にもらえる手当て、さらに福利厚生が関係しています。
正社員とフリーターを比較すると、20代のうちは給料に大きな違いはなくとも、歳を重ねるにつれて大きな差が開いてくると言えるでしょう。
大卒でも就職しにくい
「フリーターでも大卒という学歴があるからいつでも就職できる」「大卒だから有利だ」と考えるかもしれませんが、フリーターを長く続けているとたとえ高学歴であっても就職は難しくなります。
20代のうちは学歴やポテンシャルを重視されますが、年齢を重ねるにつれて実務経験やスキルを重視されるようになります。
大学を卒業してから3年以内は第二新卒として扱われます。第二新卒は「社会経験がある25〜26歳までの人」だと扱われており、社会人としてのマナーやスキルが身についていることが前提です。
フリーターの経験の中でマナーやスキルが身についているとアピールできなければ、大卒でも就職しにくいと言えるでしょう。
大卒でフリーターはデメリットばかり?メリットはある?
色々と悲惨な末路が待っていそうな大卒フリーター。
しかし実際は、それほど珍しいわけではありません。2019年に厚生労働省が行った調査によれば、19.1%の人が大学卒業後にフリーターとなっています。約5人に1人の割合です。
近年はフリーターの高学歴化も見られます。2016年にはフリーター経験者のうち、40.6%の人が大学・大学院卒者でした。
ここでは、大卒でフリーターになるメリットとデメリットについて、それぞれ見ていきたいと思います。
\高学歴ニートが正社員を目指すには?/
大卒でフリーターになるメリット3つ
大卒フリーターのメリットは次の3つがあります。
- 時間を自由に使える
- 仕事への責任が小さい
- 好きな働き方ができる
最も大きいメリットとして、時間の自由が挙げられます。
正社員と違い、短時間勤務が可能ですし、休みの取得も簡単です。一日の中で自由に使える時間が多く、スケジュールも立てやすいでしょう。
趣味や資格の勉強など、自分のやりたいことに時間を費やせます。
正社員と比べ、仕事に対する責任が小さいこともメリットの一つです。
任せられる仕事自体、責任の小さなものが多く、何かあった時も社員の方が対処してくれます。責任を問われることはまずありません。
仕事が合わないと感じたら、簡単に辞めることもできます。
好きな働き方を選べることも、フリーターになる理由として大きいかもしれません。複数のバイトを掛け持ちしたり、勤務地を自由に選んだりすることが可能です。
たくさんの仕事に興味があっても、正社員なら一つに絞る必要があります。
しかし、フリーターなら好きな仕事をいくつ掛け持ちしてもOKです。バイトを通して、様々な経験ができます。
大卒でフリーターになるデメリット5つ
生涯年収の低さと就職の難しさを含めて、大卒でフリーターとなるデメリットは全部で5つあります。
- 生涯年収が低い
- 就職しにくい
- 生活が不安定
- 社会的信用が低い
- 世間体が悪い
生涯年収の低さと就職の難しさについては、あとで詳しく説明します。ぜひ最後まで読み進めてください。
ここではそれ以外の3つについて説明していきます。
大卒フリーターのデメリットとしてまず挙げられるのが、生活の不安定さです。
アルバイトは正社員と違い、休んでしまうとお給料が出ません。シフトにどれだけ入ったかが、そのまま収入に反映されます。
これは生涯年収にも関わる問題です。
また、いつクビになるかわからない不安もあります。
実際コロナ禍では、勤務先の経営悪化が原因で多くのフリーターが解雇されました。
社会的信用の低さ、世間体の悪さも、デメリットとして挙げられます。
ローンを組めないこと、結婚したくても相手が見つかりにくいことは、男女関係なく多くの大卒フリーターに共通の悩みです。
正社員としての就職を親がせかす理由もこの2つが大きいかもしれません。
理由別で解説!大卒フリーターに最適な就活準備の方法
ここまで読んで「このままではまずい」「今から頑張って正社員になりたい」と思い始めた人もいるかと思います。
しかし一口に大卒フリーターといっても、人によってフリーターとなった理由は違いますよね。
大卒でフリーターになる理由は、大きく次の3つがあるかと思います。
- 就活しなかった
- 就活したが内定が出なかった
- 一度就職したが、早期退職した
理由が違えば、やるべきことも違ってきます。
ここでは3つのパターンについて、最適な就活準備の方法をそれぞれ紹介していきます。
就活しなかった大卒フリーター
在学中に就活をしなかっためにフリーターになった人は、初めに次の3つをやってみましょう。
- 自己分析で就職する目的を明確にする
- 企業分析で働いてみたい企業を見つける
- 勇気を出して応募する
就活せずにフリーターとなった理由として「就職する理由がわからなかった」、「やりたい仕事が思い浮かばなかった」などがありませんか。自分が企業で働くイメージができなかった人もいるかもしれませんね。
そのような人は、まず自己分析をして、就職する目的をはっきりさせましょう。
自己分析をすると、自分の得意分野や価値観、今後の目標などを整理できます。なぜ就職したいのかも明確になり、就活へのモチベーションがアップするでしょう。
また、「正社員として働くことに、良いイメージが持てなかった」という人もいると思います。
そんな人は企業分析に力を入れてみましょう。企業分析を通して、色々な企業のやりがいや仕事内容を知れば、悪いイメージが払拭されるかもしれません。
やってみたい仕事のできる企業がないか調べてみてください。
自己分析、企業分析ができたら、あとは求人に応募するだけです。勇気を出して応募してみましょう。
就活したけど内定が出なかった大卒フリーター
就活で内定をもらえなかった人は、自己分析、企業分析、面接対策が不十分だった可能性があります。
同じ失敗をしないためにも、就活に再チャレンジする前に、まずは就活の基本をおさらいします。自己分析、企業分析、面接対策の流れで行うのがおすすめです。
自己分析の目的は、自分の強みや価値観、就職の軸を知ることにあります。
志望動機や自己PRの作成、自分に合った会社選びのために、しっかりとした自己分析が必要です。
簡単にできる自己分析としては、自分史を作ってエピソードを掘り下げる、友達や家族に他己分析をお願いする、などの方法があります。
企業分析が足りなかった人もいるでしょう。就職の軸を基準に、積極的な情報集めをしてください。企業のHPを見るだけでなく、合同説明会へ参加したり、OB・OG訪問をしたり、調べ方はたくさんあります。
十分な自己分析と企業分析ができれば、志望動機や自己PRもしっかりとしたものになるでしょう。
職務経歴書などの必要書類を作成したら、面接対策も行います。
面接で聞かれる質問例はこの後ご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
一度就職して早期退職した大卒フリーター
「就職先がブラック企業だった」「職場の雰囲気が合わなかった」など、早期退職してフリーターになった理由は就職先とのミスマッチにあります。
就職してもまた辞めたくなるのではないか、と自信をなくしている人もいるかもしれません。
そんな早期退職して大卒フリーターになった人は、就活支援会社や転職エージェントに登録しましょう。優良企業を多く取り扱っているほか、会社の内部事情や雰囲気についても詳しく教えてもらえます。
ただし、転職エージェント利用する場合はフリーターや既卒、第二新卒に特化したものを選んでください。応募者の経歴より人材育成を大切にしている企業の求人が多いからです。
一人で集められる情報には限界があります。複数の就職支援サービスを活用すれば、より多くの情報を集めることが可能です。その分、自分にぴったり合う企業が見つかります。
今度こそ働き続けられる職場を見つけましょう。
面接対策もしっかりと!大卒フリーターが聞かれる質問6選
アルバイトの経験しかない大卒フリーターは面接で何を聞かれるのでしょうか。
もちろん自己紹介や志望理由、将来のビジョンなどの質問は必須です。
しかしフリーターならではの質問もあります。
よく聞かれる質問は次の6つです。
- 大学時代に就職活動はしましたか。
- 大卒フリーターになった理由を教えてください。
- なぜフリーター期間が長いのですか。
- 前職や経験したアルバイトについて教えてください。
- アルバイト以外にどんな活動をしていますか。
- なぜ今正社員を目指すのですか。
他にも、時間の拘束をされることや、ビジネスマナーは身についているかなど、正社員として働くことに問題ないか確認されます。
人それぞれですが、大卒フリーターになる理由は主に3つでした。
就活せずにフリーターとなった人は、就活しなかった明確な理由を求められまし、早期退職した人は、退職理由も聞かれます。自分にとって仕事とは何かを問われることもあるようです。
まずはしっかりと質問に対する回答を作り、よどみなく答えられるよう練習しましょう。
大卒フリーターでも新卒入社のチャンスあり!?タイムリミットは3年
大学卒業から3年以内なら、既卒でも新卒として求人に応募できる可能性があります。
厚生労働省が「既卒者でも卒業後3年間は新卒として扱う」ことを企業に求めているからです。
新卒枠の求人でも、募集資格欄を注意して見ると「~年以降に大学を卒業した方で、卒業後に就業経験のない方」と記載されていることがあります。この場合、大卒フリーターでも応募が可能です。
\第二新卒の転職活動/
この制度は、協力した企業へ国から助成金が出るため、採用側の会社にもメリットがあります。
しかし義務ではありません。実際のところ、卒業後3年以内の人を新卒枠で募集している会社は多くないのが現状です。
厚生労働省の調査によると、2015年に新卒枠で卒業後3年以内の人を採用した会社は、全体の14.2%でした。
確かに卒業後3年以内なら、卒業から4年以上経過している大卒フリーターよりチャンスは多いと言えます。
しかし新卒扱いになるからといって、油断は禁物です。早めに就活を始めるのに越したことはありません。
大卒フリーターがヤバイ理由
ここからは、大卒のフリーターがヤバイと言われる理由をご説明します。
プライドが高くなりがち
「大卒だから」とプライドが高くなってしまっていませんか?大卒だからと高すぎるプライドを持っていると、大企業や高待遇、高収入の企業以外には就職したくないと視野が狭くなってしまうことも。
「大卒だからこんな仕事はしたくない」と選り好みしすぎると、視野が狭くなってしまうため就職が難しくなりがちです。
学歴を活かせない
フリーターは学歴や知識を活かせない仕事が多いです。せっかくお金と時間をかけて大学を卒業したとしても、その知識を活かせない仕事をしていては、知識と時間が無駄になります。
生涯年収が低い
フリーターの場合、中卒、高卒、大卒とどの学歴であっても、生涯年収が低くなります。
金融広報中央委員会「暮らしと金融なんでもデータ2014年版」より高卒のフリーターの場合、生涯年収は5,546万円、大卒の正社員の場合は男性2億6,140万円、女性2億1,250万円となり、フリーターと正社員では大きな差が出てしまいます。
人それぞれ年収は異なるため、一概には言えませんが、生涯賃金には2億5,724万円の差が生まれると言われているのです。
給料が安定せずボーナスがもらえない
生涯年収が低いことにも関係しますが、フリーターで生計を立てている場合、月々の収入が安定しない上に、ボーナスがありません。
正社員と同じ労働量をこなしても、正社員のようにボーナスをもらうことはできないのです。
正社員を目指そうと思っても難しい
大卒であれば、正社員として働きたいと思った時に本気を出せば正社員になれると思いがちですが、長年フリーターとして働いていると、正社員として就職するのは難しくなっていきます。
20代のうちであれば、正社員の仕事も様々な選択肢がありますが、フリーターの経歴が長い人よりも、新卒で若くフレッシュ感のある方が新卒市場では有利です。
一見、フリーターは社会人経験があるように見えますが、就職市場ではフリーターとしての経験は社会人扱いされません。というのも「社会人=正社員」「社会人経験=正社員経験」と認識されているからです。
年齢が上がるにつれて正社員を目指しにくくなる
「大卒だから大丈夫」と就職活動を先延ばしにしていると、正社員採用されるのは難しくなってきます。
年齢を重ねるにつれて、学歴よりも社会人としての経験やスキルが重要視されるようになるからです。フリーターとしての経験を社会人経験とみなす企業もありますが、多くの企業はフリーターの経験を社会人経験とはみなしません。
そのため、社会人経験のない大卒のフリーターよりも、社会人経験があり、スキルや経験を持っている高卒者の方が優遇されるようになるのです。
また、年齢が上がるにつれて求人が減るため、応募できる求人の選択肢が少なくなります。大卒だから大丈夫と過信せずにすぐに就職活動を始めましょう。
大卒フリーターが正社員を目指す方法
繰り返しになりますが、大卒フリーターが正社員を目指すのは簡単ではありません。履歴書や職務経歴書、その他自己PRなど入念に準備する必要があります。
フリーターから正社員を目指すには、30歳になるまでに就職活動をするべきです。また、大卒のフリーターが正社員を目指すには大きく分けて、第二新卒枠を狙う、アルバイトから正社員登用を目指すの二つの方法があります。
ここからは、大卒のフリーターが正社員を目指す方法について紹介します。できるだけ早くフリーターから抜け出すためにはできるだけ早く就職活動を始めるのがおすすめです。
第二新卒枠を狙う
そもそも第二新卒とは、法的に明確に定義されているわけではありません。一般的には、学校を卒業して3年以内の人を指していることが多いです。大卒の場合は25歳までであれば、第二新卒枠として扱ってもらえるでしょう。
第二新卒の場合は、キャリアやスキルではなく、ポテンシャルや人柄を重視されます。企業は第二新卒に熱意とポテンシャルを求めているのです。そのため、フリーターとしての経験しかなく、社会人経験がなかったとしても、採用されやすいです。
特別なスキルや経験がなかったとしても、第二新卒枠であれば未経験の職種にも挑戦しやすいのです。
フリーターの場合、社会人としての経験がなく、マナーや仕事の基本が身についていないと思われますが、やり方のクセがなく、入社した会社に馴染みやすいという理由からフリーター採用に積極的な企業もあります。
\第二新卒について詳しく知りたい!/
正社員登用を目指す
アルバイトから正社員登用を目指す方法もあります。しかしアルバイトから正社員登用される人は少なく、確実に正社員登用されるのは難しいのです。
正社員登用制度のある会社で数年間働いても正社員になれなかった場合、その期間は無駄になってしまいます。
20代のうちは正社員登用を目指すのではなく、就職活動をして正社員を目指すのがおすすめです。
転職エージェントを利用する
就職活動を行う際は、転職エージェントを利用しましょう。転職エージェントは転職活動のプロであり、様々な情報を共有してくれます。
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