転職活動を行っている方の中には、企業選考の途中にSPI適性検査が組み込まれていて、
「どのように対策をすればよいのかわからない…」「SPIで落ちるのは嫌だな…」と困っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、SPIの試験内容、企業が結果をどのように使用するのか、どのように対策すべきかをまとめています。
試験当日までにSPIへの苦手意識を払拭し、面接の準備に集中するためにも、着実にSPIを通過したい方はしっかり予習しておきましょう。
目次
SPI適性検査とは?転職活動でも必要なの?
SPI適性検査とは、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが開発した、応募者の能力や人格を客観的に測るための試験です。
SPIを導入する企業の多くは、短時間の面接ではなかなか見極めることが難しい点を判断するためにSPIを活用しています。
そんなSPIですが、「SPIって新卒が就職活動する時に受けるものじゃないの?」「社会人経験のある中途がSPIを受ける意味って?」といった疑問を抱いた方も少なからずいらっしゃると思います。
中途に対してSPIを実施する主な理由は2つです。
まず、中途採用は新卒採用とは異なり一括採用ではありません。
他の応募者との相対的な比較が難しいことから、多くの人が受験しているSPIのデータを基に応募者を客観的に評価します。
次に、中途採用は新卒採用と比較すると選考期間が短いです。
応募者の理解が深まらずに入社した結果、企業とミスマッチとなる可能性があります。
SPIの試験結果により応募者の能力や人格を把握できミスマッチを防ぐことができます。
このような理由から、大企業から中小企業まで、多くの企業がSPIを導入しているのです。
SPIの試験方法は複数あり、それぞれ受検場所や回答時間などが異なるので、事前に自分が受ける試験形式を確認しておくとよいでしょう。
1. テストセンター:専用の会場に行き、用意されたパソコンで受験する(能力検査35分、性格検査30分 計65分)
2. インハウス:応募先の企業が用意するパソコンで受験する(能力検査35分、性格検査30分 計65分)
3. WEBテスト:自身の自宅などインターネット接続が可能なパソコンで受験する(能力検査35分、性格検査30分 計65分)
4. ペーパーテスティング:応募先の企業が用意した会場に行き、マークシート形式で受験する(能力検査70分、性格検査40分 計110分)
SPI適性検査の受験内容
SPI適性試験は、「能力検査」と「性格検査」の2種類の試験から成り立っています。
どちらの分野も中学~高校で学ぶレベルの問題が多いため、難易度がそこまで高いわけではありませんが、時間制限が短めに設定されていることと、問題数が多いことにより、実際のレベルよりも難しいと感じる人も多いようです。
能力検査
まず、能力検査では、その企業で働くために必要なスキルが備わっているかどうかを確認します。
具体的には、社会人として円滑にコミュニケーションを取ることや、物事を合理的に考えて自分で課題を解決する力などです。
能力検査は、「言語分野」と「非言語分野」の2つのパートに分かれています。
「言語分野」は、言葉の正しい知識を持ち、文章を早く読解して要約する力があるかどうかを測ります。
出題される主な科目は、「二語の関係」「語句の意味」「語句の用法」「文の並べ替え」「文中の空欄補充」「長文読解」となっています。
「非言語分野」は、数字の処理ができて、回答まで論理的に道筋を立てられる力があるかどうかを測ります。出題される主な科目は、「推論」「順列、組み合わせ、確率」「割合と比」「損益算」「料金割引」「仕事算」「代金清算」「速度算」「集合」となっています。企業によっては、上記とは別に「構造的把握力」や「英語力」を測る問題が出題される場合もあります。
性格検査
性格検査では、応募者の人柄や価値観、仕事の取り組み方を多角的な質問で確認します。質問カテゴリは、「行動的側面」「意欲的側面」「情緒的側面」「社会的側面」となっています。
性格検査を受検する上で最も重要なことは、自分を偽らずに正直に回答することです。
理由としては、自分を良く見せようとする等の目的で虚偽の回答をした場合に、多数の質問の中に敢えて混在している類似質問同士で矛盾が発生してしまうためです。
それが原因で、正直さに欠けるとして不合格となる場合もありますので、素直に回答することを心がけましょう。
SPI適性検査を転職活動で実施する目的とは?
企業が選考にSPIを活用する目的を知ることができれば、SPIの対策も立てやすくなるはずです。
企業がどのような問題を抱えていてSPIを活用しているのか。また、どのようなことをSPIに期待しているのか見てみましょう。
ミスマッチを防ぐ
企業は可能な限り、応募者の入社後のミスマッチを避けたいと思っています。
そのためには、自分の企業に合わない応募者を選考の段階で選別するのがポイントになります。
職務経歴書と面接のみである通常の選考フローの中でそれを防ぐのは難しいと感じている企業が多いです。
そこで企業は、応募者が、企業が求めているレベルの能力を持ち合わせているかどうか、また、配属予定の部署やチームにマッチする人物かどうか等を、SPIの結果を元に考慮します。
知的水準を判断できる
企業が応募者の能力を把握する材料は、基本的には職務経歴書と短期間での面接のみです。
職務経歴書では、学歴や前職での実績などが応募者の文章で記載されており、面接では面接官の質問に対して応募者が口頭で答えます。
しかしそれらだけでは、応募者の仕事を遂行する能力がどの程度なのかを客観的に測る材料としては不十分です。
そのため、全国で多くの人が受験しているSPIの結果をもって、応募者の知的水準が企業で働くのに充分であるかを判断しています。
コミュニケーションを円滑にできる
応募者は新卒とは異なり職務経験があるとはいえ、新しい職場、新しい環境に慣れるまでには一定の期間が必要です。
その間、周囲のメンバーが応募者を理解することやサポートすることも応募者が職場環境に適応していくためには重要なことです。
もし、社内で充分なコミュニケーションが行われなかった場合、応募者の早期の離職につながる恐れもあります。
そこで、社内のメンバーが応募者を理解する材料として、SPIの結果が用いられることがあります。
SPI適性検査の対策
問題数が多く時間内で回答するのが難しいSPIですが、「能力検査」の方は本やアプリを使用して対策が充分に可能です。
「言語分野」と「非言語分野」で対策方法が異なるので、それぞれ対策のポイントを押さえておきましょう。
「言語分野」は、語彙力を問われる問題が多く出題されるので、問題集を活用してできるだけ多くの熟語やことわざを覚えることが重要です。しかしながら、長文読解の問題は知識で解くことはできないため、知識問題を素早く解くことで時間を確保しておきたいところです。
「非言語分野」は、出題される科目がある程度は確定しているため、回答パターンを暗記してしまうのがスピーディーに解けるポイントです。問題集やアプリを使って多くの例題を繰り返し解くことで、科目ごとの解き方を理解・暗記しましょう。
「言語分野」と「非言語分野」どちらにも共通して言えることは、試験直前の一夜漬けなどでは、知識は定着しづらいということです。試験本番まで余裕をもって、できるだけ毎日問題に触れるようにしましょう。その方が知識が脳にしっかりと定着します。
また、先ほどSPIの試験方法は複数種類あることをご紹介しましたが、その中でもパソコンを使って受検するものは特に注意が必要です。普段、なかなかパソコンで問題を解く機会はないため、試験当日に操作ミスをしてしまう、なんてことがないように事前に練習しておきましょう。
リクルートやマイナビが、ネット上でSPIに類似した問題を受けることができるサイトを無料で公開していますので、対策の成果を確認する意味でも一度受検してみるとよいでしょう。
まとめ
転職活動においてもしばしば登場するSPIについて、企業の試験を採用する目的や試験の内容、対策方法についてご紹介してきました。上記で挙げたような対策方法をしっかり行えば、SPI合格の可能性は高まります。
しかし、転職活動を行う人の多くは、仕事を続けながら転職活動を行っていたり、離職していたとしても金銭的な問題で早めに転職先を決めなければならない等で、ゆっくり充分な時間を確保して事前準備を行うのは難しい状況にいると思います。
そのような状況下では、職務経歴書の作成、面接対策、SPI対策まで、転職活動の準備を短期間でいかに効率的に行うかが鍵となります。
自分ひとりでは多くの時間がかかる準備も、プロであるキャリアコンサルタントに相談すれば短時間で終えることができるかもしれません。転職活動を効率的に成功まで導くために、専門家のノウハウを上手く活用しましょう。
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