日本が誇る世界的なコメディアン志村けんさん(本名:志村 康徳 さん)70歳が2020年3月29日にコロナウィルス感染により肺炎が悪化して亡くなりました。報道によれば、3月17日に倦怠感がでて、25日に感染が発表されてあっという間のことでした。
稀代のコメディアンの死を通じて改めてコロナウィルスに対する意識を高めるとともに、志村さんの中からビジネスの成功の法則を見つけてみましょう。
目次
ダイバシティ(多様性)
いまや企業も個人も多様性が求められる時代です。多様性があるからこそイノベーションが起こせるといってもよいでしょう。志村けんさんは非常に多様性に富んだ方で多様な才能をお持ちの方でした。志村さんのもつ才能の一片を見てみましょう。
コメディアン
志村さんはお笑いが大好きで高校を卒業と同時にお笑い芸人の道を選択します。当時、コント55号とドリフターズを天秤にかけて、どちらかに何のコネもなく弟子入りしようと考えていたというのですから・・・その行動力をまずは尊敬しますね。
もともと音楽が大好きということもあり、ドリフターズの付き人になった志村さんですが。その後はいろんな多様なキャラクターを生み出していきました。バカ殿、変なおじさん、ひとみばあさん・・・その個性的で多様なキャラクターを産み出してきたこともコメディアン志村さんの素晴らしい能力といえるでしょう。
ミュージシャン
コメディアンとしての能力が高すぎるあまりミュージシャンの側面があまりクローズアップされていませんが実はミュージシャンとしても非常に才能がありました。ドリフターズではギターを担当していました。
ビートルズの来日の際にドリフターズが前座でステージを行ったことは非常に有名ですが、この時はまだ志村さんはメンバーにはなっておらず、観客としてご覧になっていたそうです。
その後も「キリン氷結」のCMなどで三味線を披露されたりしてミュージシャン志村けんの顔が垣間見れました。
俳優
志村さんは俳優についてはやらないというのが基本体な考えだったそうです。実際に当時ものすごく人気ドラマだった「古畑任三郎」の犯人のオファーなど、いろいろなドラマ出演の機会を断ってきたそうです。
しかし、1999年の「鉄道員(ぽっぽや)」では高倉健さんから出演依頼をどうしても断れずに出演することになったそうです。そうした義理堅いところも志村さんぽいですね。さらに今年は山田洋次監督の「キネマの神様」に初めての主演映画として参加する予定でしたが、コロナウィルスの感染で辞退したところでした。
オリジナリティ(独自性)
最初はグー
志村けんさんが生み出したものの一つに「最初はグー」があります。今となっては子供であっても大人であっても当たり前のようにじゃんけんの時に使いますね・・・「最初はグー」。実はあれも志村けんさんが始めたものとされています。
番組が終わった飲み会の中で、だれがその支払いを行うのかをじゃんけんで決められていたようです。そのじゃんけんの際にみんながあまりにも酔っぱらってタイミングが合わないので「最初はグーであわせましょう!!」といったのがきっかけだったとか。
その後、それを当時の人気番組「八時だよ全員集合」の志村さん、仲本さんがじゃんけんをするコーナーでやるようになったら、あっという間に世間に広まったというのが「最初はグー」の真相です。確かに今考えてみると・・・それまでのじゃんけんはよくタイミングが合わせられたものだと不思議になるぐらい、今となっては「最初はグー」が当たり前になってますね。
ビデオ投稿コーナー
「かとちゃんけんちゃんご機嫌」テレビという番組の中で「面白ビデオコーナー」という新しい企画を作り上げました。内容は・・・当時、普及率が10%程度しかなかったビデオカメラで一般の人が撮影した動画を募集して放送するというものでした。周囲は「そんな企画まだ早すぎる」という反応だったみたいですが、「必ずこれから写真ではなく、動画の時代がくる!!」といって始めたようです。
その後、ご存じのとおりビデオカメラどころかyoutubeなどを使って動画をシェアする時代がやってきました。そう考えると先を見る目の確かさに驚かされるばかりです。
カインドネス(優しさと思いやり)
志村けんさんにはその優しさが伝わる有名なエピソードがあります。それは若手芸人さんに騙されて1000万円の詐欺にあってしまうお話です。
ある日志村さんは若手芸人さんから「娘が病気になってしまって手術するのにどうしても300万円必要だ」という相談を持ち掛けられます。その相談を受けて翌日志村さんは1000万円を用意して「出世払いでいいから娘さんを手術してあげて」と快く貸してあげるのです。もう、この時点でどれだけ器が大きいのだろうと思ってしまいますが・・・
更にこの話には続きがありまして。周囲の芸人さんが「なんかあの話怪しいぞ」ということになり、その若手芸人を問い詰めたところ・・・案の定、娘さんの手術の話は全て嘘だったのです。自分の借金の返済のために300万円を借りるつもりが、1000万円ももらってしまい、残りのお金も遊びに使ってしまったそうです。
当然、周りの芸人さんは大激怒します。「ふざけるな!これはもう立派な詐欺事件だぞ」と。その芸人を志村さんのもとに連れていき、事情を説明させます。すると、その話を聞いた志村さんは「なんだ、あの話は嘘だったの?じゃあ娘さんは病気じゃなかったんだ。それは本当に良かったね!!」といったそうです。更にお金は絶対に返しますというその芸人に対して、「いいよいいよ。お金は天下の回り物だから」とだけ言ったそうです。
信じられません。お金をだまし取られて娘さんのことを気遣えるなんて人がこの世の中にいるんですね。
まとめ
やはり、芸能界であれだけの長い期間活躍し、これだけ老若男女幅広く国民から愛され続ける志村けんさんには、多くのビジネスで成功する学びが隠されていました。新型コロナウィルスによりあっという間に他界されてしまったことが本当に残念です。
心からご冥福をお祈りいたします。